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注意人物
「注意人物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
注意人物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
の危険を恐れていても、差し当っては外記をことわる口実を見いだすのに苦しんで、単に
注意人物として遠巻きに警戒しているに過ぎなかった。 その
注意人物は病気で十日ほ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
出すのではありませんでした。自分は前科四犯もあることですから、常に高輪警察署より
注意人物として目されてある事も自分は承知して居りました。罹災の際には二度も同署に....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
篤胤研究者の苗床であったのも、決して偶然ではない。たとえば暮田正香のような幕府の
注意人物が小野の倉沢家にも、田島の前沢家にも、伴野の松尾家にも、座光寺の北原家に....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ち、あるいは長州人士を引いていわゆる中津川会議を自宅に開かせ、あるいはまた幕府の
注意人物であった多くの志士を自宅にかばい置くなど、百方周旋していたらないところの....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
、澄まして、まっすぐに僕のところに来た。キントトと、マア坊は、このたびのお化粧の
注意人物として数え挙げられていたのであるが、その夜、僕たちの部屋へやって来た時の....
「十五年間」より 著者:太宰治
のであるが、しかし時の政府には、やっぱりどうも信用が無かったようである。情報局の
注意人物というデマが飛び、私に、原稿を依頼する出版社が無くなってしまった。しみっ....
「花吹雪」より 著者:太宰治
を大勢集めて気焔を揚げ、先生とか何とか言われて恐悦がっているようだが、汝は隣組の
注意人物になっているのだぞ、老婆心ながら忠告致す、と口速に言いてすなわち之が捨台....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
木文之丞、この勝負が今日の見物であるのは、それは机竜之助が剣客中の最も不思議なる
注意人物であったからで、この中にも竜之助の「音無しの構え」に会うて、どうにもこう....
「惜別」より 著者:太宰治
中、――」と名乗りかけると、 「いや知っている。田中卓。H中学出身。君はクラスの
注意人物なんだ。学校にさっぱり出て来ないじゃないか。」 私は、むっとした。学校....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
ことに貴様は、ちかごろここへ現れたばっかりだが、その面構えは本国政府からチャンと
注意人物報告書として本官のところへ知らせてきてあるのだ。どうだ驚いたか、胡魔化し....
「返事」より 著者:太宰治
私なども、雑誌の小説が全文削除になったり、長篇の出版が不許可になったり、情報局の
注意人物なのだそうで、本屋からの注文がぱったり無くなり、そのうちに二度も罹災して....
「自転車嬢の危難」より 著者:ドイルアーサー・コナン
れば、まあ大した悪者でもあるまいと思った。なるほど暴漢のウードレーは、なかなかの
注意人物に相違ないが、しかしこれも我々の美しい若い依頼者を困らせたのは、ただ一度....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
が居るであろうか、従来はこの一人を防ぐために、他の二十余人までいわゆる監視つきの
注意人物として見ていたその気苦労もまた一通りではない。で、現在はこの考えをすっぱ....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
いろんな事件があるんだよ」 「でも一体に大事件の無い処だろう?」 「がその代り、
注意人物が沢山居る。第一君なんか初めとしてね……」 「馬鹿云っちゃ困るよ。僕なん....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
島は昔流罪人の流された島、まさに「大正の遠島」というところだ。 平和な故郷に要
注意人物として帰った私をみる島民の目は冷たかった。また私も離れ島でじっとしている....