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注目の的
「注目の的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
注目の的の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
内部の機構が一新せられ、患者に対しても独得の療法を施し、非常な好成績で、医学界の
注目の的となっているのだそうだ。頭がすっかり禿げているので、五十歳くらいにも見え....
「花のたより」より 著者:宮本百合子
からは見られていたのであったから、イギリスの力を勘定に入れてもこの取組は、世界の
注目の的となるのは当然であったろう。 ロシアの艦隊が、その実質にはツァーの政府....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
基のいることは、日本の治安維持法がどんな惨虐を行ったかを知っているすべての人々の
注目の的である。安倍源基は、一九二八年以来、日本の人民の良心を奪い自由を抑圧して....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
んが又何か喋った。けれどもこの時からハチ公に不思議に思えてならないのは、皆んなの
注目の的が、自分よりも他の何かのものに移って了っているらしいということだった。と....
「わが母をおもう」より 著者:宮本百合子
いわれて、官僚全盛時代であったものが、新しく擡頭した金持、実業家がだんだん世間の
注目の的となり、小説でも「金色夜叉」などがひろく読まれた時代でしたから、母の縁談....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
はしゃいだ気持で眺めていた。 大岡少年と私のことは噂にのぼらなかった。彼は人の
注目の的になるはずがない位みにくい容貌であり滑稽なほど間抜けてもいた。皆がさわぎ....
「常識」より 著者:豊島与志雄
身だったが、独身の若い教師というものは、女学校では、その一挙手一投足が生徒たちの
注目の的となる。それはまだ恋愛と名のつくものではないが、若い男性は一種の光で、少....
「田園の幻」より 著者:豊島与志雄
の例として、彼は私のことを持ち出した。昔は東京からのお客さんといえば、村人たちの
注目の的となったものだが、この節ではそうでなく、私のことだって、誰も気に留める者....
「鱗粉」より 著者:蘭郁二郎
ば、どんなに仰天したことだろう――。 鷺太郎の眼を奪った美少女は、矢張り誰もの
注目の的になると見えて、そのあたりに学生らしい四五人の一団と、家族らしい子供二人....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
で、私たちはその人のほうを見かえった。その人はブリスバーンといって、常に人びとの
注目の的となっているほどに優れた才能を持っている三十五、六の男盛りであった。彼の....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
の顔に注がれ、その動きからたえす何かを読もうとしていた。とりわけ大河無門はかれの
注目の的だった。しかし、どの顔にも、これといって変わった表情は見られなかった。大....
「決闘」より 著者:神西清
歩きはじめた。 ラエーフスキイは、もう直きに死ぬかもしれないというのでみんなの
注目の的になっている男の、気苦労と間の悪さとを感じていた。一刻も早く殺すか、家へ....
「イプセン百年祭講演」より 著者:久保栄
そしむ機会をもったと言われております。では、そういう彼が、どうして当時最も社会の
注目の的となった時事問題に肉迫していったかと申しますと、彼は非常な新聞愛読者だっ....
「随筆銭形平次」より 著者:野村胡堂
軽蔑されて、低俗な大衆小説の下位に置かれた捕物小説が、俄然として再認識され、世の
注目の的となったのは、江戸川、白石、両氏の力に依るところがはなはだ大きいといわな....