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泰
「泰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
泰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
うな静かさだった。毎日午前だけ講演に行った私は、午後と夜とをこの座敷で、はなはだ
泰平に暮す事が出来た。が、同時にまた、参考書と着換えとを入れた鞄のほかに何一つな....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
》の胴に土蔵の窓明りを仄《ほの》めかせている。そのまた胴は窓の外《そと》に咲いた
泰山木《たいざんぼく》の花を映《うつ》している。……しかしふと指に触れたズボンの....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
したからである。……
古老《ころう》の伝える所によると、前田家では斉広以後、斉
泰《なりやす》も、慶寧《よしやす》も、煙管は皆真鍮のものを用いたそうである、事に....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
》をもって大砲を鋳《い》たのも、危急の際にはやむをえないことかもしれない。しかし
泰平の時代に好んで、愛すべき過去の美術品を破壊する必要がどこにあろう。ましてその....
「路上」より 著者:芥川竜之介
「じゃ君は中位派《ちゅうぐらいは》か。」
「勿論さ。さもなけりゃ、とてもこんな
泰然としちゃいられはしない。」
俊助は憫《あわれ》むような眼つきをして、ちらり....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
又彼自身を偶像にすることに異存を持っているものもない。
又
しかし又
泰然と偶像になり了《おお》せることは何びとにも出来ることではない。勿論天運を除外....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
やっている内に、その心配な筋と云うのを問わず語りに話して聞かせると、その友だちの
泰《たい》さんと云うのが急に真面目な顔をして、「じゃお島婆さんに見て貰い給え。」....
「二つの道」より 著者:有島武郎
によってわずかに二つの道というディレンマを忘れることができた。そして人の世は無事
泰平で今日までも続き来たった。
しかし迷信はどこまでも迷信の暗黒面を腰にさげて....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
頓着するところではない。単にお前が殊勝な言行さえしていれば、社会は無事に治まって
泰平なのだ。社会はお前を褒めあげて、お前に、お前が心|窃かに恥じねばならぬような....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
文学者の地位/ピラミッドの計量/支那人の宇宙観/道教/列子の見方/孔子の教え ※
泰西の科学は特権僧侶階級の私有物/ギリシアの自然哲学者たち/タレース、アナキシメ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
それにしてもそなたが、斯うも早くこちらの世界へ来るとは思わなかった。いつまでも安
泰に生き長らえて居てくれるよう、自分としては蔭ながら祈願していたのであったが、し....
「銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
きました。 こんな風に今の銀座|界隈その時分の「煉瓦」辺が、他の場所よりも早く
泰西文明に接したというわけは、西洋の文明が先ず横浜へ入って来る、するとそれは新橋....
「寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
その御狸様のお告げに、ここに祀ってくれた上からは永く浅草寺の火防の神として寺内安
泰を計るであろうとのことであったということです。 今浅草寺ではこのお狸様を鎮護....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
、急に又足を止めて、杜子春の方を振り返ると、 「おお、幸、今思い出したが、おれは
泰山の南の麓に一軒の家を持っている。その家を畑ごとお前にやるから、早速行って住ま....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
色は残っていない。僕等は無残にもひろげられた跡を向う両国へ引き返しながら、偶然「
泰ちゃん」の家の前を通りかかった。 「
泰ちゃん」は下駄屋の息子である。僕は僕の小....