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洋服箪笥
「洋服箪笥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洋服箪笥の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俘囚」より 著者:海野十三
や》した。茶の間から始まって、寝室から、書斎の本箱、机の抽斗《ひきだし》それから
洋服箪笥《ようふくだんす》の中まで、すっかり調べてみた。その結果は、云うまでもな....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
も一応足のところへ入れて置いて、帰ってきても冷い足をすぐ温められるようにし、次に
洋服箪笥を開いて、予て一着分用意してあった古洋服を下して着換えた。そしてこれだけ....
「赤外線男」より 著者:海野十三
7 その次の朝のことだった。 帆村荘六は早く起き出ると、どうした気紛れか、
洋服箪笥からニッカーと鳥打帽子とを取り出して、ゴルフでもやりそうな扮装になった。....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
もう何度目かの兇器の捜査にやって来た。 大月にまでも援助を申出た彼等は、二階の
洋服箪笥の隅から階下の台所の流しの下まで、所謂警察式捜査法でバタリピシャリと虱潰....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
翌朝、身じまいをおわって伸子が畳廊下へ出てゆくと、襖があいていて、泰造が一人
洋服箪笥の前で、身仕度をしていた。 「お早うございます、もうお仕度?」 「ああ。....
「旅愁」より 著者:横光利一
顔にあたったときは怖かったわ。ほんとにあたしびっくりした。」
湯上りの真紀子は
洋服箪笥の姿見の前に立って髪を直し、それから久慈の傍の椅子へ坐った。久慈は何んと....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
つめた。三疊の控室までついてる上等の座敷を占領し、相当な調度《ちょうど》の類から
洋服箪笥まで備え、艶やかに光ってる額の上の髪を、毎朝二十分もかかって綺麗に分けて....
「坂田の場合」より 著者:豊島与志雄
彼に忙しい時というものがあったかどうかは疑問だ。 書斎の横手に、ベッドと小卓と
洋服箪笥だけを置いた狭い室がある。夜おそく酔って帰ってきた時など、彼はそこに倒れ....
「桜の園」より 著者:神西清
して)そう、いいわ……でもその前に、わたしの長外套を持ってきてくださらない。……
洋服箪笥のそばにあるわ。……すこし、じめじめしてきた…… エピホードフ いや、か....
「肌色の月」より 著者:久生十蘭
が、セットの組みあがらないテレビのスタジオのような空虚なようすになった。いままで
洋服箪笥のあった壁の上に、芽出しの白膠木《ぬるで》の葉繁みがレースのような繊細な....
「日蔭の街」より 著者:松本泰
屋の隅に据付けてある洗面台の下の耳のとれた水差、それから二組の洋服と外套の入った
洋服箪笥、それ等はあった儘に位置を変えず、灰を被ったように寂然と並んでいた。私は....
「審判」より 著者:カフカフランツ
」 「そうすれば事が早くすむのなら、それでもかまいませんよ」と、Kは言い、自分で
洋服箪笥をあけ、長いことたくさんの服をひっかきまわし、いちばんいい黒の服を選んだ....