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洋燈
「洋燈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洋燈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
婚を祝する心が冷却したと云う訳でもなかったのです。それ所か、明《あかる》い空気|
洋燈《ランプ》の光を囲んで、しばらく膳に向っている間《あいだ》に、彼の細君の溌剌....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
持って入ったと書いて識者の笑いを招いた事もある。越えて明治十年頃と思うが、始めて
洋燈が移入された当時の
洋燈は、パリーだとか倫敦辺で出来た舶来品で、割合に明いもの....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
が姿を、歴然と見たのである。 十七 しばらくして、浦子は玉ぼやの
洋燈の心を挑げて、明くなった燈に、宝石輝く指の尖を、ちょっと髯に触ったが、あらた....
「活人形」より 著者:泉鏡花
り。 亭主の叫びし声を怪しみ、慌しく来る旅店の内儀、「まあ何事でござんすの、と
洋燈を点けて据え置きながら、床の間の方を見るや否や、「ン、と反返るを抱き止めて、....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
「おかしいねえ。」と眉をひそめた。夫人の顔は、コオトをかけた衣裄の中に眉暗く、
洋燈の光の隈あるあたりへ、魔のかげがさしたよう、円髷の高いのも艶々として、そこに....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
店が暗いじゃないか。今つける処なのよ、とお心易立てに、そんな口を利きましてね、釣
洋燈の傍に立っていますと、その時はお寄りなさらないで、さっさと水道橋の方へ通越し....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
んだ処に、溝板から直ぐに竹の欄干になって、毛氈の端は刎上り、畳に赤い島が出来て、
洋燈は油煙に燻ったが、真白に塗った姉さんが一人居る、空気銃、吹矢の店へ、ひょろり....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
から、 「知らなかったかな、君は。随分その方へかけちゃ、脱落はあるまいに。」 「
洋燈台下暗しで、(と大に洒落れて、)さっぱり気が付かなかった。君ン許へもちょいち....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
たと例の六畳へ取って返した。 両三度あちらこちら、ものに手を触れて廻ったが、台
洋燈を手に取るとやがてまた台所。 その袂に触れ、手に触り、寄ったり、放れたり、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
りました。 一月に一度ぐらいは、種々入用のものを、塩やら醤油やら、小さなものは
洋燈の心まで、一車ずつ調えさっしゃります。 横浜は西洋臭し、三崎は品が落着かず....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
《ともしび》の赤黒い、火屋《ほや》の亀裂《ひび》に紙を貼った、笠の煤《すす》けた
洋燈《ランプ》の下《もと》に、膳を引いた跡を、直ぐ長火鉢の向うの細工場《さいくば....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
を出しても、榎の下は四方を丸く明けて避ける習慣。 片側の商店の、夥しい、瓦斯、
洋燈の灯と、露店のかんてらが薄くちらちらと黄昏の光を放って、水打った跡を、浴衣着....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
が籠ったのに、座はただ白け返った処へ、一道の火光|颯と葭戸を透いて、やがて台附の
洋燈をそれへ、小間使の光は、団扇を手にしたまま背向になっている才子の傍へ、そッと....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
て、湯あがりの顔を出す、とおかみさん。 珍らしく夜延でもする気がして、火の玉め
洋燈の心を吹きながら、呼吸で点れそうに火をつけていた処。 (入ッて遊びねえ、遊び....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
のことで、もう点灯頃。 物の色は分るが、思いなしか陰気でならず、いつもより疾く
洋燈をと思う処へ、大音寺前の方から盛に曳込んで来る乗込客、今度は五六台、引続いて....