洋髪[語句情報] »
洋髪
「洋髪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洋髪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
新しい何畳《なんじょう》かの畳《たたみ》、最後にこちらへ後《うしろ》を見せた、西
洋髪《せいようがみ》の女が一人、――それが皆冷やかな光の中に、切ないほどはっきり....
「春」より 著者:芥川竜之介
云う妹の羞恥《しゅうち》を享楽したい心もちもした。かたがた広子は安楽椅子の背に西
洋髪《せいようがみ》の頭を靠《もた》せたまま、全然当面の問題とは縁のない詠嘆の言....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
外のタクシイに乗った。タクシイはすぐに動き出した。が、僕は僕の父よりも水々しい西
洋髪に結った彼女の顔を、――殊に彼女の目を考えていた。
僕が病院へ帰って来ると....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
く方がよかろうと思う。 人々は真昼の百貨店でよく彼女を見かける。 目立たない
洋髪に結び、市楽《いちらく》の着物を堅気風につけ、小女一人連れて、憂鬱な顔をして....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
は「成功」なぞという言葉が特に取出されて流行し、娘たちはハイカラ髷《まげ》という
洋髪を結《ゆ》っている時代で虫食いの図書遺品を漁《あさ》るというのはよくよく向き....
「蠅男」より 著者:海野十三
のであった。その傍には、それを熱心に見守っている二人の男女があった。 女の方は
洋髪に結った年の頃二十三、四歳の丸顔の和装をした美人だった。その顔立は、たしかに....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
取られたのを知って、ちょっとしまったという様子を見せ、指を旧式な「髷なし」という
洋髪の鬢と髱の間へ突込んで、ごしごし掻きながら、しとやかな夫人を取り戻す心の沈静....
「河明り」より 著者:岡本かの子
え、また立ち騰っているように感じられる。悠揚と引かれた眉に左の上鬢から掻き出した
洋髪の波の先が掛り、いかにも適確で聡明に娘を見せている。 私は女ながらつくづく....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
しいが狭まっていた。 きょうは、髪の前をちょっとカールして、水髪のように捌いた
洋髪に結っていた。 心なしか、わたくしが、父の通夜明けの春の宵に不忍の蓮中庵で....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
に沈んでしまった。だから、この出し物はだめとなって、初日、二日は、仕方なく、上は
洋髪の頭のままで、からだには、紙でつくったかみしもをつけ、博多今小蝶と名乗って、....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
いう娘の癖に。」 「おじさん、ひどい、間違ったら高島田じゃありません、やむを得ず
洋髪なのよ。」 「おとなしくふっくりしてる癖に、時々ああいう口を利くんですからね....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
界隈で働く女たち、丸髷の仲居、パアマネント・ウエーヴをした職業婦人、もっさりした
洋髪の娼妓、こっぽりをはいた半玉、そして銀杏返しや島田の芸者たち……高下駄をはい....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
。 「あすこに女が一人いるだろう? 鼠色の毛糸のショオルをした、……」 「あの西
洋髪に結った女か?」 「うん、風呂敷包みを抱えている女さ。あいつはこの夏は軽井沢....
「車中有感」より 著者:上村松園
どろきに似たものを感じざるを得ないほどであった。 姉妹とも洋装で、髪はもちろん
洋髪であった。 近頃、若い女の間に、その尊い髪に電気をあてて、わざわざ雀の巣の....
「娘」より 著者:岡本かの子
頃からであった。明治初期に、鹿鳴館時代という洋化時代があった。上流の夫人令嬢は、
洋髪洋装で舞蹈会に出た。庶民もこれに做った。日本髪用の鼈甲を扱って来た室子の店は....