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洌
「洌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洌の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「李陵」より 著者:中島敦
前にはただ蘇武の強烈な意地とのみ見えたものの底に、実は、譬《たと》えようもなく清
洌《せいれつ》な純粋な漢の国土への愛情(それは義とか節とかいう外から押しつけられ....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
き》の代りには水松《おんこ》の小枝を用い、白いご幣が、黒いほど濃い緑葉のなかに清
洌《せいれつ》な対照であった。
烏帽子《えぼし》をかぶった神主姿の男は棟梁《と....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
。濁水|滔々たる黄河の流れを貪り汲まんとする彼らをして、ローマの街にありという清
洌なる噴泉を掬んで渇を潤すことを知らしめねばならない。 思えば今を距る二千六百....
「若い人たちの意志」より 著者:宮本百合子
さい婦人たちとして、性が開花に向いつつ、それが蕾であるゆえの、まだどこか中性の清
洌さを湛えていて、おとなのように生物的な負担の重さ(多くの家庭は、巣のようだから....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
が意味を有ち得るのは、単に倫理的な態度、そういう人間的情緒、そういう心構え(清沢
洌氏は自由主義をこうした「心構え」と考える)としてだけであって、哲学体系となれば....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
)であった。その他なお二、三その道に志した者があるが、現在評論家として聞える清沢
洌氏 、朝日新聞の久保田栄吉氏も、少年時代は研成義塾に学ばれたことである。 井....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
欠いていた。そればかりか、何んとなく非現世的な夢幻的なものに包まれていて、その清
洌な陶酔に輝いている両眼、唇の緩やかな歪みなどを見ると、そこから漲り溢れて来る異....
「聴衆0の講演会」より 著者:中井正一
席を、「やあやあ我こそは……」と声高らかにやって馬を走らせ、刀をひらめかせて、鮮
洌な印象の中にそれが展開されて、彼等の口がポカンとほほえみと共に開けられて来なけ....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
南は嶮山重畳のモン・ブラン群《マシッフ》と、氷河の蒼氷を溶かしては流すアルヴの清
洌、北には雲母《きらら》張りの衝立《エクラン》のように唐突に突っ立ちあがるミデイ....