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洒落者
「洒落者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洒落者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
手を触《ふ》れぬが好《よ》い」と云った。
もう一人のスタアレット氏はずっと若い
洒落者《しゃれもの》だった。冬は暗緑色のオオヴァ・コートに赤い襟巻《えりまき》な....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
句で相槌を打った。
「しかし、ある場合は」と法水はちょっと思案気な顔になり、「|
洒落者や阿諛者はひしめき合って――」と云いかけたが、急にポープの『|髪盗み』を止....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
食の児だから悦んで」 鐵「ふゝゝ人を馬鹿にしちゃアいけねえ、本当だと思ってたのに
洒落者だね、田舎者だって迂濶した事は云えねい……えゝ其方の隅においでなさるお方、....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
》の底の汚泥を掴《つか》み出すのは世態に通じたもののすることでは無い、と天明度の
洒落者《しゃれもの》の山東京伝は曰《い》ったが、秀吉も流石《さすが》に
洒落者だ。....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
には仕方がない。――だから蓑虫は黙っているのだ。 支那の周櫟園の父はなかなかの
洒落者で、老年になってから自分のために棺を一つ作らせて、それを邸内に置いていた。....
「ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
逢って見ると、あの年をとっても髪のかたちを気にするようなおばあさんまでが恐ろしい
洒落者に見えた。皆、化物だと、おげんは考えた。熊吉の義理ある甥で、おげんから言え....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
、そのラツァロネ(ナポリの乞食)を組合盗賊と言い、そのコクニー(ロンドンっ児)を
洒落者《しゃれもの》と言う。世界中にあるものは皆パリーにもある。デュマルセーの描....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
とアンジョーラは言った。
「青二才!」とガヴローシュは言った。
うっかりしてる
洒落者《しゃれもの》が街路の向こうを通りかかったので、その方に心が向いた。
ガ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
父《じじい》に、あの摂政時代と執政内閣時代との木乃伊《みいら》に、あの古めかしい
洒落者《しゃれもの》に、あのゼロントとなったドラントに(訳者注 共にモリエールの....
「秘密の庭」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
場の場景のような銀青色の庭は何だか彼を嘲ってるように思われた。オブリアンの大股な
洒落者らしい歩みぶり――ガロエイ卿は自分は父親ではなく、オブリアンの恋敵でもある....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
く寂しくなった。肩を落とし首を垂れ、うそ寒そうに足を運ぶ。 「京伝は俗物、一九は
洒落者、そうして三馬は小皮肉家。……俺一人|彼奴らと異う。これは確かに寂しいこと....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
大方の芸術家がそうであるように、一面私は神経質で、他面私は放胆であった。又一面|
洒落者で他面著しく物臭であった。宿命的病気に取っ付かれて以来、その程度が烈しくな....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
興じている。年ごろ二十四五の、色の白い眼の細い頭髪を油で綺麗に分けた、なかなかの
洒落者である。 山の手線はまだ単線で客車の運転はホンのわずかなので、私たちの労....
「歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
ら御祝儀をもらっても、滅多に承知は出来ないからねえ」 「姐さん、おめえ、なかなか
洒落者だの」 「おだてちゃいけないよ」 「おだてやしねえが、観音様の鐘は気に入っ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
はナンボその頃でも絵具代の足しにもならなかったは明かである。 その頃|何処かの
洒落者の悪戯であろう、椿岳の潤筆料五厘以上と吹聴した。すると何処からか聞きつけて....