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洗い出し
「洗い出し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洗い出しの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
》の打ちようがございません。いや全く恐れ入りました。」
馬琴は黙ってまた、足を
洗い出した。彼はもちろん彼の著作の愛読者に対しては、昔からそれ相当な好意を持って....
「職工と微笑」より 著者:松永延造
ロイド職工※の心の中にある悪辣な部分丈を洗い去り、従って善良な部分を明瞭に表面へ
洗い出して呉れたように思えるのであった。 私は刃を以てする複讐を思い切る為めに....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
者三人を引き連れて、揚々と過ぎ去っていったものでしたから、せっかくこれまで証跡を
洗い出していたのに、いま一歩という手前でみんごと先鞭《せんべん》を打たれましたの....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ほうを洗ってきなよ。おいら呉服橋の北町番所へ行ってくるからな」 「よしきた。何を
洗い出しても、今みてえにあわ食うなよ。じゃ、兄貴、また会うぜ」 まめやかなのに....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しかったが、軍右衛門は更にくわしい説明をあたえた上で、なんとかしてかの娘の身許を
洗い出してくれないかと膝づめで頼んだ。そうして、正直にこういう事情も打ちあけた。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
半七は待ち兼ねたように訊いた。 「まだ十分というわけには行きませんが、少しは種を
洗い出して来ました」と、多吉は得意らしく云った。 「まあ、聴いておくんなせえ。そ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
おほ、ほ、ほ! 御免下さい」と、向うは笑いくずれたが、すぐ白いつばを吐いて、顔を
洗い出した。飛んで来たのは僕のがま口だ。 「これはわたしのだ。さッき井戸端へ水を....
「わが町」より 著者:織田作之助
がんで、頭を下げ、そして、備え付けの杓子で水を掛けて、地蔵の足をたわしでしきりに
洗い出した。 地蔵には浄行大菩薩という名がついているのを、ぼんやり眼に入れなが....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
い。 と、突然立ち上った。赤くなったマアセルだ。それが、いきなり自暴にそこここ
洗い出した。石鹸の泡が盛大に飛散する――と思っていると、ざぶっとつかって忽ち湯船....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ことであるから、住居の具合は変りもしたであろうが、とにかく、五軒間口の塀は、杉の
洗い出しであったし、門は檜の節無しを拭き込んで、くぐり戸になっていたし、玄関前ま....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ませんよ、と言わぬばかりの冷たい調子でこたえ、そのまま雑巾をバケツの中でざぶざぶ
洗い出した。 俊亮が、当惑したような顔をして、 「帳場の方は、どこから這入るん....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、
(下手クソ!)
と、心で罵っていた。
その画にも倦んだらしく、武蔵が筆を
洗い出したので、もういっぺん頼んでみようかと、城太郎が唇を舐めてなにかいいかける....