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「洗練〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

洗練の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
弓町より」より 著者:石川啄木
けれども、現在の日常語は詩語としてはあまりに蕪雑《ぶざつ》である、混乱している、洗練されていない。という議論があった。これは比較的有力な議論であった。しかしこの....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
しながらその具体的な形の中、及ぶだけ純粋に近い形に依ろうとする。その為めに彼等は洗練された感覚を以て洗練された感覚に訴えようとする。感覚の世界は割合に人々の間に....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
に残存していた物を灰燼に委してしまった。もっともアラビア人らは、後に彼らの文化が洗練されるようになってからは、科学に対する趣味を生じ、そうして特にアレキサンドリ....
雛妓」より 著者:岡本かの子
作は人生の寂しさを努めて紛らすために何か飄逸な筆つきを使う画家であった。都会児の洗練透徹した機智は生れ付きのものだった。だが彼は邪道に陥る惧れがあるとて、ふだん....
生の拡充」より 著者:大杉栄
意義もまた、要するにここにある。実行とは生の直接の活動である。そして頭脳の科学的洗練を受けた近代人の実行は、いわゆる「本気の沙汰でない」実行ではない。前後の思慮....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
って建設されたようなものであったが、ラザルスに取ってはそのまばゆさも、美しさも、洗練された人生の音楽も、結局荒野の風の谺か、沙漠の流砂の響きとしか聞こえなかった....
現代若き女性気質集」より 著者:岡本かの子
ら考えを決め度いと思って居るんですもの。」 ○彼女の笑いは、全く自然に見えるほど洗練されている。けれども彼女は、腹の底から笑った味を知らない。....
異性に対する感覚を洗練せよ」より 著者:岡本かの子
。色調、形式美、音等に対する感覚ばかりでなく対人的、殊に異性に対する感覚をもっと洗練させ度い。 この点、まだ現代の女性はイージーでセンチで安価な妥協をして了う....
新時代女性問答」より 著者:岡本かの子
けした感じがします。あれは散々今の新しさが使用し尽された後のレベルから今|一だん洗練を経た後に生れた女です。格別の新しがらなくとも新らしい智識の洗礼を受けたのち....
かの女の朝」より 著者:岡本かの子
というのですね、これが。ママの意図としては、フランス人の性情が、利に鋭いと同時に洗練された情感と怜悧さで、敵国の女探偵を可愛ゆく優美に待遇する微妙な境地を表現し....
車中有感」より 著者:上村松園
り、思わず、ほう……と、呟いた。その母親(おそらく二十二、三であったであろう)の洗練された美しさもさることながら、その向いに坐っている妹さんらしい人の美しさにも....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
、食べない。これを。食べないとはおまえ偉いねえ。おまえの趣味がそれほどノーブルに洗練されているとは思わなかった。全くおまえは見上げたもんだねえ。おまえは全くいい....
簡潔の美」より 著者:上村松園
ものを活かして、ちゃんと要領を得させています。 ここにも至れり尽くされた馴致と洗練とがあらわれていると思います。 能楽は大まかですが、またこれほど微細に入っ....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
底|味う事の出来ない文章上の微妙な説を聞いて大いに発明した事もしばしばあったし、洗練|推敲肉|痩せるまでも反覆|塗竄何十遍するも決して飽きなかった大苦辛を見て衷....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
ではこういう田五作や田舎侍は無粋な執深の嫌われ者となっている。維新の革命で江戸の洗練された文化は田舎侍の跋扈するままに荒され、江戸特有の遊里情調もまた根底から破....