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「洗錬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

洗錬の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
にするのは全く両者の御蔭であります。吾人の情操を優美にし、品性を高潔にし、同情を洗錬するのは全く両者の御蔭であります。だから吾人はいつの世いずくに生れてもこの二....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
の恐怖観念のようなものを抱くのらしい。麻川氏の方にしても若い無邪気な×氏や温厚な洗錬された作家×××氏や画家K氏を除く外はあんまり愉快な客ばかりでは無い。或る一....
縮図」より 著者:徳田秋声
ろう。 この裏通りに巣喰っている花柳界も、時に時代の波を被って、ある時は彼らの洗錬された風俗や日本髪が、世界戦以後のモダアニズムの横溢につれて圧倒的に流行しは....
光と風と夢」より 著者:中島敦
ィヴンスンにとって、思想上趣味上の直接の教師であった。絢爛《けんらん》たる才気と洗錬された趣味と該博な知識とを有《も》った・端倪《たんげい》すべからざる才人だっ....
一つの思考実験」より 著者:寺田寅彦
たわけである。 私の思考実験はまだわずかにこの程度までしか進んでいない。充分な洗錬を経ない以上、基礎前提にもまた推考の論理にも欠陥が多いかもしれない。それにも....
青年」より 著者:森鴎外
人一人訓戒めいた詞を掛ける。切口状めいた詞が、血の色の極淡い脣から凛として出る。洗錬を極めた文章のような言語に一句の無駄がない。それを語尾一つ曖昧にせずに、はっ....
戦後新人論」より 著者:坂口安吾
ある。 一昔前は、金語楼が落語界の新人であったが、彼の泥臭さに比べれば、歌笑は洗錬されてもいるし、より時代感覚に密着している。サトウ・ハチローと歌笑の座談会で....
経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
がかかる生産物を豊富にまたは稀少に所有しているか、またはそれが粗末な状態にあるか洗錬《せんれん》された状態にあるか、に従って、通常労働の生産物の極めて異る分量に....
ラジオ・ドラマ私見」より 著者:岸田国士
る。 作家としては、先ず第一に、主題の選択、第二に、構成の工夫、第三に、文体の洗錬、これだけに全力を注げばよい。 ラジオ・ドラマの主題は、特別に「ラジオ」に....
艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
きた某という、薄手細おもての人も婉である。 幇間《たいこもち》では東川喜久八が洗錬されていて、十八番は江戸前の獅子。市川音頭も彼の作詩で例年夏の夜を、江戸川花....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
目の作であるだけ、『其面影』よりは筆が楽に伸んびりしておる。無論『其面影』と同じ洗錬を経たので、決して等閑に書きなぐったのではないが、『其面影』のような細かい斧....
銀座」より 著者:永井荷風
》の河岸通《かしどおり》にある。 逢うごとにいつもその悠然たる貴族的態度の美と洗錬された江戸風の性行とが、そぞろに蔵前《くらまえ》の旦那衆を想像せしむる我が敬....
芸術は革命的精神に醗酵す」より 著者:小川未明
に外ならないのであります。 芸術は、血と涙の結晶であると同時に、遅滞した生活を洗錬する革命の炎である。芸術家は、先駆者であり、彼等の行動は、真に犠牲的精神から....