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洛北
「洛北〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洛北の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
津川《とつがわ》の時の中山卿、朔平門外《さくへいもんがい》で暗殺された姉小路卿、
洛北《らくほく》の岩倉卿、それらは慥《たしか》に公卿さんには珍しい豪胆な人に違い....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ました。そこへ、六地蔵の方から突然に、けったいな男が現われて、 「兄《あに》い、
洛北の岩倉村に大賭場《おおとば》があるんだが、ひとつ、かついで行かねえか、いい銭....
「雪の宿り」より 著者:神西清
心地で、あやしい胸さわぎを覚えておりましたところ、果せるかなその月の十八日の夜、
洛北の御霊林に火の手は上ったのでございます。 尤もわたくしは二三日前より御用で....
「純情狸」より 著者:佐藤垢石
泉に近い水沢観音の床の下に、仙公と呼ぶ狸界の耆宿が棲んでいた。齢、千余年と称し、
洛北の叡山で、お月さまに化け、役の行者に見破られて尻っ尾を出した狸と兄弟分と誇っ....
「明治懐顧」より 著者:上村松園
男の方は洋服にわらじ、私ども女は草履に後がけをして一日の行程九里位は平気でした。
洛北の渓谷を歩き廻って、山村の宿に泊まったこともあります。何分二十名位の客が急に....
「西田先生のことども」より 著者:三木清
時分は九月の入学であったが、七月の初め、私は帰省の途次、速水先生の紹介状を持って
洛北《らくほく》田中村に西田先生を訪ねた。どんな話をしたらいいのか当惑していると....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
てもらいたいとある。 「場所だな、まず」 清十郎はつぶやくようにいって―― 「
洛北の蓮台寺野はどうだろう」 と、一同へ計った。 「いいでしょう。して、日どり....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
阿新と久米内をうながして、急に道を引っ返し、堅田から龍華越えを抜けて、やっと
洛北の大原へ入ることができた。 その途中でも、大薙刀をかいこんだ武装の僧にいく....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
しく頭に入れておきたいということにある。武蔵が最初に吉岡清十郎と試合した場所は、
洛北蓮台寺野と明白にわかっているが、二度目に、弟の伝七郎を仆した場所は事実となる....
「編輯雑感」より 著者:喜田貞吉
た事もあった。しかるに今やその竹中翁もこの世におられない。 大正二年の頃寓居を
洛北田中に転じて、田中部落の事情をも見聞するの機会が多かった。その後郷里の部落で....
「洛北深泥池の蓴菜」より 著者:北大路魯山人
茶殻を詰めたようなものだ。 そこで、どこのじゅんさいが一番よいかと言うと、京の
洛北|深泥池の産が飛切りである。これは特別な優品で、他に類例を見ないくらい無色透....