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「洛西〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

洛西の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
狂乱」より 著者:近松秋江
った。時は十一月の二十四日であった。電車のきく北野の終点まで行って、そこから俥で洛西の郊外の方に出ると、そこらの別荘づくりの庭に立っている楓葉が美しい秋の日を浴....
十二支考」より 著者:南方熊楠
秀郷当身の物と唱えられたらしい。『誌略』に雲住寺縁起に載った、秀郷の鏃を見んと、洛西妙心寺に往って見ると、鏃甚だ大にしてまた長く、常人の射るべき物ならず、打根《....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
えてゆき、心はいつのまにか気力と新鮮さとを取り返している。 むかし、足利尊氏は洛西等持院の境内にあった一本の松をこの上もなく愛していた。それはほととぎすの松と....
源氏物語」より 著者:紫式部
恥ずかしいことであると、その懸念がいささか源氏を躊躇させていた。 この十二月に洛西の大原野の行幸があって、だれも皆お行列の見物に出た。六条院からも夫人がたが車....
和算の社会的・芸術的特性について」より 著者:三上義夫
下一割算指南の看板を掛けて教授し門人も多かったという。その門下からでた吉田光由は洛西嵯峨の角倉家の一族にして、著わすところの『塵劫記』は極めて広く行われた。この....
鮎の試食時代」より 著者:北大路魯山人
の後しばらくしてうまいと思って食ったのは、京都の保津川のほとりにおいてであった。洛西嵐山の渡月橋を渡って、山の裾を七、八丁登ると、そこに嵐山温泉というのがある。....
志士と経済」より 著者:服部之総
繁太郎が生れ、おまけに雲浜自身病気あがりで、どうにも凌ぎがつかぬところから、一時洛西|高雄《たかお》に引移ってかねて覚えのある医者の看板を出したが、内外情勢を見....
私本太平記」より 著者:吉川英治
は、何ともジリジリするような我慢以外なものではなかった。 こことはちがい、洛南洛西方面の様相は、きのうも今日も、激烈をきわめていた。 はじめ六波羅方では、対....
筍の美味さは第一席」より 著者:北大路魯山人
関東のそれは場違いとしたい。目黒の筍など名ばかりで、なんの旨味もない。京都では、洛西の樫原が古来第一となっている。その付近に今ひとつ、向日町という上産地がある。....