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洞
「洞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
しかない大男が現れて、
「お前は仲々笛がうまいな。己《おれ》はずっと昔から山奥の
洞穴《ほらあな》で、神代《かみよ》の夢ばかり見ていたが、お前が木を伐《き》りに来....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
あの方が阿父様《おとうさま》の代から、ずっと御住みになっていらっしゃる、二条|西
洞院《にしのとういん》の御屋形《おやかた》のまわりには、そう云う色好みの方々が、....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
るような、ぼんやりした心もちでいましたが、祖母はすぐにその手を引いて、うす暗い雪
洞《ぼんぼり》に人気《ひとけ》のない廊下《ろうか》を照らしながら、昼でも滅多には....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
も湖南《こなん》に生れている。これは勿論《もちろん》曾国藩《そうこくはん》や張之
洞《ちょうしどう》の感化にもよったのであろう。しかしその感化を説明する為にはやは....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
、短い白髪《しらが》を倒《さかさま》にして、門の下を覗きこんだ。外には、ただ、黒
洞々《こくとうとう》たる夜があるばかりである。
下人の行方《ゆくえ》は、誰も知らない。
(大正四年九月)....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
声に応じて、その影からぼやけた返事が伝って来た。
「おゆるされ。これは、五条西の
洞院《とういん》のほとりに住む翁《おきな》でござる。」
阿闍梨《あざり》は、身....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
兼ねたのか、自分も水だらけな袖をまくると、幅の広い肩を聳《そびや》かせて、まるで
洞穴《ほらあな》を出る熊のように、のそのそとその連中の中へはいって行った。そうし....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
…
2
日本の南部の或山みち。大きい樟《くす》の木の枝を張った向うに
洞穴《ほらあな》の口が一つ見える。暫《しばら》くたってから木樵《きこ》りが二人。....
「或る女」より 著者:有島武郎
る、平凡な五十三|次風《つぎふう》な景色が、電柱で句読《くとう》を打ちながら、空
洞《うつろ》のような葉子の目の前で閉じたり開いたりした。赤とんぼも飛びかわす時節....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
しに、一|条の光明が射し込んで来ると同時に、自分の置かれている所が、一つの大きな
洞穴――岩屋の内部であることに気づきました。私は、少なからずびっくりしました。―....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
するものは世間に多いが、それ等の中の幾人かが、かかる世相の由って来る所を、奥深く
洞察して世界平和の大計を講ずる資格があるであろうか。霊界の先覚から、『盲目なる哉....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
袖裏の青蛇、胆気粗なり。 三たび岳陽に入れども、人|識らず。 朗吟して、飛過す
洞庭湖。 二人を乗せた青竹は、間もなく峨眉山へ舞い下りました。 そこは深い谷....
「出来上った人」より 著者:芥川竜之介
しを玩んで――つまり前にも言ったように、日月星辰前にあり、室生犀星茲にありと魚眠
洞の
洞天に尻を据えている。僕は室生と親んだ後この点に最も感心したのみならずこの点....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
が森に流れこむほうの側には、樫や栗の木立に野葡萄の蔓が厚くからみついて、あたりを
洞穴のように真暗にしていた。この橋をわたるのは、世にもつらい責苦だった。まさにこ....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
前飛んできたB29のまいたビラを読んで、薄々は感づいていたものの、まるで全身が空
洞になったような虚脱感に襲われた。私はこれまで何度か死線をさまよった。早大反軍研....