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津波
「津波〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
津波の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
。果敢《はか》ない労力に句点をうって、鍬の先きが日の加減でぎらっぎらっと光った。
津波のような音をたてて風のこもる霜枯れの防風林には烏《からす》もいなかった。荒れ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
名な地質学者ジュース(Suess 一八八三年)は、この大洪水が火山爆発に起因する
津波によって惹起されたもので、この
津波がペルシア湾からメソポタミアの低地の上を侵....
「惜別」より 著者:太宰治
はなかろうか。周さんが、夏休みに東京へ行き、まず感じたものは、その澎湃たる文芸の
津波ではなかったろうか。書店の文芸書の洪水ではなかったろうか。そうしてその洪水の....
「災難雑考」より 著者:寺田寅彦
ことは明白でも、そうして自分にまいた種の収穫時に後悔しない人はまれである。 大
津波が来るとひと息に洗い去られて生命財産ともに泥水の底に埋められるにきまっている....
「洪水大陸を呑む」より 著者:海野十三
く! そしてそのふくれた海は、ずんずんと大陸へ近づいて来るのであった。 「あっ、
津波だ。すごい
津波だ。アトランチス大陸が、
津波にのまれてしまう」 三四郎は、思....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
は、炎の稲妻、黒潮の黒い旗は、黒雲の峰を築いて、沖から※と浴びせたほどに、一浦の
津波となって、田畑も家も山へ流いた。片隅の美女の家へ、門背戸かけて、畳天井、一斉....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
上にはった。その上を、どどーんと、大波がとおりこしていった。大爆発によって生じた
津波が、カンナ島にうちあげたのであった。 「とうとう、やった。海底要塞の大爆破だ....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
ないか。 鯉七 そこだの、姫様が座をお移し遊ばすと、それ、たちどころに可恐しい大
津波が起って、この村里は、人も、馬も、水の底へ沈んでしまう…… 蟹五郎 何が、何....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
立て、悲鳴を揚げて、泣く、叫ぶ。茶屋|揚屋の軒に余って、土足の泥波を店へ哄と……
津波の余残は太左衛門橋、戒橋、相生橋に溢れかかり、畳屋町、笠屋町、玉屋町を横筋に....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
れでいいと思った。そのとたんに、 どしいん。 大波が、船首をうった。船首に、
津波のように、海水の大きなかたまりが、くずれこんだ。船は、ぐらっと動いた。 ぐ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
二度とかれらを見なかった。 そのとき耳の遠くなるようなひどい物音が聞こえた。大
津波のうなる音、木のめりめりさける音、圧搾された空気の爆発する音、すさまじいうな....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
鬼が生きていて凱歌をあげることを考えると、怒りと復讐の念がまた戻ってきて、大きな
津波のように他のあらゆる感情を押し流すのであった。私は体をすこし休めたが、そのあ....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
あるもの、それらの家々の屋根は大抵吹きめくられ、吹き飛ばされてしまった。その上に
津波のような高波が打寄せて来て、品川や深川の沖にかかっていた大船小舟はことごとく....
「えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
その年は津浪に襲われるといい,その音がはるか山の奥の方に聞えるときは,それを「山
津波の魔の物搗き音」と言って,山奥の魔物どもが酒を造って酒盛をして大挙して押寄せ....
「あの世の入口」より 著者:知里真志保
集めてきて、火をもやし、飯をたきながら、ふと沖の方を見ると、大変だ。ものすごい大
津波がこちらをめがけておしよせて、いまにもかぶさってきそうに見えるではないか。ど....