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活殺
「活殺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
活殺の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「薤露行」より 著者:夏目漱石
く世ならず、動く世を動かぬ物の助《たすけ》にて、よそながら窺《うかが》う世なり。
活殺生死《かっさつしょうじ》の乾坤《けんこん》を定裏《じょうり》に拈出《ねんしゅ....
「変なあたま」より 著者:辻潤
方がないのだ。なにしろサキは正体もなにもわからんバケ物のような「生命」の親玉で、
活殺自在でまるで歯も立たなければ、いくらもがいてみたところでなんのてごたえもなく....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
のみならず報酬を得た上で無くば打ち明けられぬ貴重な秘密を打ち明けて、云わば貴方に
活殺《かっさつ》の灸所を握られたと一般ですから」
勿論報酬を返して貰い度いなど....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
来《きょらい》凡兆《ぼんちょう》の三重奏《トリオ》を取ってみる。これでも芭蕉のは
活殺自由のヴァイオリンの感じがあり、凡兆は中音域を往来するセロ、去来にはどこか理....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
片を面に巻いただけのしぐさではあるけれども、そのまきっぷりにより、人柄そのものの
活殺も生ずるというわけなのである。
ところで――この覆面の人の覆面ぶりは、かな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の男には、かりそめの絆《ほだし》が、猛然たる本能を呼び起すことは珍しくないので、
活殺の力をわが手に納めた時に、それを無条件でつっぱなしきれなくなるのがあさましい....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
るのだが、これは人間の技巧でその巧拙には際限がない、料理に依って物それの味わいを
活殺する事もまた人の知るところである、如何に材料が新鮮優良でも料理の手一つで活か....
「マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
、現今《いま》よりも無学文盲であった社会には、あらゆる権勢の最上級に見なされて、
活殺与奪の力までも自由に所持してでもいるように思いなされていた。そして伊藤公は―....
「田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
工合や、指の握りかた、その他のあしらいの荒っぽさや、丁寧さが、女の心を掴むのに、
活殺自在であることを、なんとなく感知した。 側にいても、身が縮まるような悦びは....
「九代目団十郎の首」より 著者:高村光太郎
ている。おだやかな眉弓の下にある両眼は、所謂「目玉の成田屋」ときく通り、驚くべき
活殺自在の運動を有った二重瞼の巨眼であって、両眼は離れずにむしろ近寄っている。眼....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
の配りたったひとつで如実に表さなければならない「噺」の世界では、かかって「芸」の
活殺《かっさつ》如何はこうした目の動かし方ひとつにあり。すなわちいまその奥秘の種....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
。 閑話休題――そういう風に速記というもの昔日のものといえども、高座人の話術の
活殺はついに知らしむべくもなかったけれども、さすがに往昔の講談落語の速記の中から....
「日本料理の要点」より 著者:北大路魯山人
か殺すかという問題が生ずるのである。朝のそうざい味噌汁にも、納豆にすら、全くこの
活殺の呼吸があるのである。三度三度の飯の炊きように至っては、ことにその
活殺によっ....