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「活況〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

活況の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女類」より 著者:太宰治
み食いする屋台、小料理屋が、街々にひしめき、あふれるという感じで立ち並び、怪しい活況を呈していた事でした。もとより、僕にとっては、市場に山ほどの品物が積まれてあ....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
活者には駄目。浅草で札がとんでいるのは、おでん店だけのようである。 だが、この活況こそ、敗戦日本を盛りかえす一つの新しい生命の芽ばえであろう。 新しい品、高....
応仁の乱」より 著者:菊池寛
弘、及び河野通春の援軍が到着したことであった。既に持久戦に入って来た戦線は、漸く活況を帯びて来たのである。 応仁元年九月一日、西軍五万余人は大挙して三宝院を襲....
惜別」より 著者:太宰治
都会らしいものを見て、それだけでも既に興奮していたのに、この全市にみなぎる異常の活況に接して、少しも勉強に手がつかず、毎日そわそわ仙台の街を歩きまわってばかりい....
今日の文学と文学賞」より 著者:宮本百合子
外見上の文学の繁昌が、その本質に対する疑問を喚びさましている一方、この一般的な活況の中には、やはり本ものの文学が生育されて行く或る可能というものも見えがくれし....
歌声よ、おこれ」より 著者:宮本百合子
けつつ、雑踏してその発刊をいそいでいる。 しかし、奇妙なことに、そういう一面の活況にもかかわらず、真の日本文化の高揚力というものが、若々しいよろこびに満ちた潮....
東京要塞」より 著者:海野十三
て、或る物識りの故老の言葉を借りると、欧洲大戦当時、ロンドンにおける外交戦の多彩活況も、これには遠くおよばないそうである。 中でも、国民の注目を一番強く集めて....
この初冬」より 著者:宮本百合子
合で米屋が倒れて行く。そういう話がある折であったから通りすがりに見るこの米屋の大活況は何となし感じに来るものがあるのであった。そこは朝夕郊外からの勤人が夥しく通....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
に便利のようになっているのが目につきました。島田市《シマダイチ》附近は、もう大分活況を示していて、「山一組出張所」というような板カンバンが出て居り、すこしゆくと....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
た生活エネルギーは、比較的不便な陸路のために封鎖的になったこの港街に独特な精彩と活況とを与えた。そしてそれが幾世代に渡り保存されたので、由緒ある港としてのいぶし....
魔都」より 著者:久生十蘭
を考究していたのだったが、事情がこういう工合になるとまた話がちがう。これも俄かに活況を呈して、 「よろしい、もうひと奮発して見ましょう。加十の屍体を王様の屍体に....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
一 室生岬の尖端、荒れ果てた灰色の山の中に、かなり前から稼行を続けていた中越炭礦会社の滝口坑は、ここ二、三年来めきめき活況を見せて、五百尺の地底に繰り拡ろげられた黒い触手の先端は、もう海の底半|哩の....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
るコン吉を遽然《きょぜん》と揺り起すものあり。目覚めて見れば、これはまたにわかに活況を呈し、頬の色さえ橙色《だいだいいろ》となったタヌが立っていて、次のような計....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
」の百|万陀羅《まんだら》。これに反してタヌは、群集の口が増せば増すほどいよいよ活況を呈し、四面八方に薙《な》ぎ立てる。 「君、ちょいとその紳士《ムッシュウ》。....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
、いずれも殺気だった面持で虚空をみつめているので、日ごろ物見高いコン吉はたちまち活況を呈してそっちへ駆け寄り、そばの肥満紳士に、 「戦争ですか。飛行機ですか」と....