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活物
「活物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
活物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
走っている、流れの浅く、彎入した、緩やかなところに背を露わした石がある、苔が厚く
活物《いきもの》の緑が蠢《うご》めいている、水草の動くのは、髪の毛がピシピシと流....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
威力に牽引されているようで、濶々とした河原に、一筋水が走っている。この水のみが、
活物の緑を潜めているかと思われる。およそ、山の中の氷の下から、数珠を手繰るように....
「雪魔」より 著者:海野十三
しっかりくくりつけられた。青髪山の雪穴の底で、観測をつづけている一造へとどける生
活物資だった。 「彦くん、やっぱり君は行かない方がいいよ。お雪を連れていけばいい....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
がてら正直にお辰めを思い切れと云う事、今度こそはまちがった理屈ではないが、人間は
活物杓子定規の理屈で平押には行ず、人情とか何とか中々むずかしい者があって、遠くも....
「科学論」より 著者:戸坂潤
限りに於て技術にぞくすると考えられた(但しここでいう生産的能動も技術も、まだ、生
活物質の物質的生産に於ける真の意味。だから、古典的な意味に於ける夫々の学問は、実....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
ている。そしてそれが単なる物質ではなくて正に生活体の物質であるから、この物質は生
活物質(Lebensstoff)と呼ばれる。で、生命現象はこの生
活物質をその内的....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
も宮様らしい宮様であるから私の知る限りでも二ツの雑誌社があの宮様から宮様の今昔生
活物語の如きものを書いてもらう狙いをつけてでかけたが、あのお人柄では定めし生活も....
「ねじくり博士」より 著者:幸田露伴
、ダッテ石と人間とは一所にならないには極ッてるが、最下等生物の形状はあんまり無生
活物とちがいはしないのだよ。所を僕のねじねじ論で観念すると能く分るよ、但しあんま....
「瀞」より 著者:佐藤垢石
は、そろそろ統制経済だとか、公定相場だとかという言葉をきくようになり、都会では生
活物資が次第に少なくなり、物の値いが高くなっていくのに驚いているときである。であ....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
、つまり悪疾患者見たいなもので、それもある篤志な医師などに取っては多少の興味ある
活物であるかも知れないが、吾々健全な一般人に取っては、寧ろ有害無益の人間なのだ。....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
みはなさるまいし、私だって頼まれる程の事じゃあなし、困りましたね、どうも、何しろ
活物だから始末が悪かったろうじゃアありませんか。 人通のない土手だって、軍鶏ば....
「鍋料理の話」より 著者:北大路魯山人
く嬉しい。そして親しみのもてる料理といえよう。 しかし、材料が鮮魚、鮮菜という
活物が入った上での話である。入れるものがくたびれていたのでは、充分のものはできな....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
て、わが従来系続せる国体の原形を保持せしむるを要す。なんとなれば、社会は一個の生
活物にして、動物の発達と同一の規則を有すればなり。例えばここに一動物あり、もしこ....
「世間師」より 著者:小栗風葉
むんずと万年屋の利腕を抑えた。 「うぬ、うぬだな!」 「俺ならどうした。女だって
活物だ、なぜその日に困らねえようにしておいてやらねえ。食わせりゃこっちが飼主よ、....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
すなわち人類の精神的生活が向上して無益なる浪費を自然に掣肘し、かつ科学の進歩が生
活物資の生産能率を高むる事が必要であって、物欲のための争いを無限に放置されていた....