派出[語句情報] » 派出

「派出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

派出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
ったその宗家の娘であった。祖先の水無瀬女から何代か数知れぬ継承の間に、宗家は衰え派出した分家、また分家の方が栄えた。どういうわけであろう。界隈の昇華した名家々々....
競馬」より 著者:織田作之助
苦しみ方は生きながらの地獄《じごく》であった。ロンパンがなくなったと気がついて、派出看護婦が近くの医者まで貰いに走っている間、一代は下腹をかきむしるような手つき....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
さい宴会からの需要が多く、おきんは芸者上りのヤトナ数人と連絡《れんらく》をとり、派出させて仲介《ちゅうかい》の分をはねると相当な儲《もう》けになり、今では電話の....
俘囚」より 著者:海野十三
居ないこの広い邸宅は、まるで化物屋敷のように、静まりかえっていた。一週に一度は、派出婦がやって来て、食料品を補《おぎな》ったり、洗い物を受けとったりして行くのが....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
迷惑したのは、その町内の自身番に詰めている者共であった。 「自身番というのは今の派出所を大きくしたようなものです」と、半七老人は説明してくれた。 「各町内に一個....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
か申すんだそうで、葱が枯れたと言っては村役場だ、小児が睨んだと言えば交番だ。……派出所だ裁判だと、何でも上沙汰にさえ持ち出せば、我に理があると、それ貴客、代官婆....
蠅男」より 著者:海野十三
いった帆村の両眼は、人家の屋根の上をつきぬいてニョッキリ聳えたっている一つの消防派出所の大櫓にピンづけになっていた。 あの半鐘櫓は、そもいかなる秘密を語ろうと....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
です。時刻も場所も前二回と全く同じです。機関庫主任の岩瀬さんはとうとうB町の巡査派出所へワタリをつけました。 派出所の安藤巡査からの報告に依りますと、三匹の豚....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
はもちろん往来していない時代であるから、このあたりに灯の影の見えるのは桜田門外の派出所だけで、他は真っ暗である。夜に入っては往来も少ない。ときどきに人力車の提灯....
些細な事件」より 著者:井上紅梅
支えて一歩一歩先へ進んだ。 わたしは不思議に思って前の方を見ると、そこに巡査の派出所があった。大風の後で外には誰一人見えない。あの車夫があの老女を扶けながらち....
女侠伝」より 著者:岡本綺堂
、何か怪しい者を見たらばすぐに訴え出ろと申付けてはおいたのだが、別に二人の捕吏を派出して、毎晩かの蘇小小の墓のあたりを警戒させることにした。」 「誰でも考えそう....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
うに標柱が頭を競っている。小児科の医者、特許弁理士、もう一つ内科呼吸器科の医者、派出婦会、姓名判断の占師、遠慮深くうしろの方から細い首を出して長唄の師匠の標柱が....
銀座の朝」より 著者:岡本綺堂
光の一つ消え、二つ消えてあさ霧絶え絶えの間より人の顔おぼろに覗かるる頃となれば、派出所の前にいかめしく佇立める、巡査の服の白きが先ず眼に立ちぬ。新ばしの袂に夜あ....
御堀端三題」より 著者:岡本綺堂
た。 立ちン坊といっても、毎日おなじ顔が出ているのである。直ぐ傍には桜田門外の派出所もある。したがって、彼らは他の人々に対して、無作法や不穏の言動を試みること....
あの顔」より 著者:大倉燁子
う赤ン坊はぐったりとなって、死んでいました。その物音に馳け込んで来た女中は直ぐに派出所へ走ったのです。そして、先生、弘さんは殺人犯としてその場からひかれて行った....