流し込む[語句情報] » 流し込む

「流し込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

流し込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
汲み込んだ井戸の水を、はるばるとこの洗面所へ送って、橋がかりの下を潜らして、池へ流し込むのだそうであった。 木曾道中の新版を二三種ばかり、枕もとに散らした炬燵....
斜陽」より 著者:太宰治
ンをお口と直角になるように持ち運んで、スプウンの尖端から、スウプをお唇のあいだに流し込むのである。そうして、無心そうにあちこち傍見などなさりながら、ひらりひらり....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
も持って行けば、冷たい稗はザラ/\して咽を通らぬ。湯でも水でもぶっかけてざぶ/\流し込むのである。若い者の楽の一は、食う事である。主人は麦を食って、自分に稗を食....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
てしまって、するめがそしゃくされないうちに、私は水でそれをゴクゴク咽喉《のど》へ流し込むのだ。二十五円の蓄音器は、今晩もずいずいずっころばし、ごまみそずいだ。公....
貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
つも言葉を添えては、少し歯に合わない事々は、あらいざらい、まるで川へ芥《ごみ》を流し込むように押しつけられた。 顎に三本ほど白い髯がそよいで、左の手の甲に小豆....
旅愁」より 著者:横光利一
。」 「だから云いにくいのよ。」 沸騰しているアルミの釜にどろどろとコーヒーを流し込む調理場から、強い匂いを放って立ち昇っている湯気を千鶴子は眺めた。 「あの....
竹の木戸」より 著者:国木田独歩
管をポンと強く打いて、膳を引寄せ手盛で飯を食い初めた。ただ白湯を打かけてザクザク流し込むのだが、それが如何にも美味そうであった。 お源は亭主のこの所為に気を呑....
別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
早く炊いて、私の起きる頃には、もう可い加減冷めてポロ/\になった御飯に茶をかけて流し込むようにして朝飯を済ました。――間食をしない私が、何様なに三度の食事を楽み....
猫の穴掘り」より 著者:寺田寅彦
していれば酸は徐々に自然に水中に混合して大して間違いは起らないが、いきなり多量に流し込むと非常な熱を発生して罎が破れたり、火傷したりする危険が発生する。 汽車....
話の種」より 著者:寺田寅彦
菌の寿命 北米シカゴ市ではミシガン湖から用水を取っているので市中の下水を湖水に流し込む訳に行かぬ。それで下水|溝渠はすべてこれをミスシッピイ河に放流してしまう....
放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
機械になりきってしまって、するめがそしゃくされないうちに、私は水でゴクゴク咽喉へ流し込む。 弐拾五円の蓄音器は、今晩もずいずいずっころばし、ごまみそずいだ。 ....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
、午飯《ひる》には帰らない。 正午だ。惣平次とおこうが、さし向かいで、茶漬けを流し込む。 食休みに、雑談になって、おこうが、 「お前さんどう考えているか知ら....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
ゃあこうしちゃあいられねえといったような感じを冷水のように釘抜部屋の三人の背骨へ流し込むことができたからである。鮎肥る梅雨明けの陽気とはいえ、車軸を流さんばかり....
偶像崇拝の心理」より 著者:和辻哲郎
身震いを感じないでいられなかった我々の祖先の心を、大きい融け合った響きの海の内に流し込む。苦しいほどの緊張は快い静かな歓喜に返って行き、心臓の鼓動はまたゆるやか....
食道楽」より 著者:村井弦斎
白身を雪のように泡立てて泡の消えないように軽く黄身を交ぜて鍋へ油を敷いてその中へ流し込む時箸の先かあるいは匙で上面《うわかわ》を拡げて鍋一杯にして両端を畳《たた....