流れ出す[語句情報] »
流れ出す
「流れ出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流れ出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
がたりとあける。紅に輝いた空の日を溶かしたような、火の流れがずーうっとまっすぐに
流れ出す。
流れ出すと、炉の下の大きなバケツのようなものの中へぼとぼとと重い響きを....
「路上」より 著者:芥川竜之介
だからやがて講義がすんで、机を埋《うず》めていた学生たちがぞろぞろ講堂の外へ
流れ出すと、彼は入口の石段の上に足を止めて、後から来る大井と一しょになった。大井....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
」 「ほほう、そうかの」将軍は初耳らしく、その参謀の方に顔を向けた。「だが重油が
流れ出すようでは、所詮助かるまい」 「いや、それが鳥渡面白い解釈もあるんです。と....
「蠅」より 著者:海野十三
横なぐりに落ちて、窓枠をピシリピシリと叩いた。密林がこの小屋もろとも、ジリジリと
流れ出すのではないかと思われた。 流れ出してもよい。すべて天意のままにと彼は思....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
。はゝ、笑わせやあがる。おれの首が飛んだら、その具足櫃からしたじのような紅い水が
流れ出すだろう。」 見物人が大勢あつまっているだけに、今宮さんも捨てゝ置かれま....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
、小柄をぬいてわたしの両方の眼を突き刺しました。」 今もその眼から血のなみだが
流れ出すように、座頭は痩せた指で両方の眼をおさえた。平助もこのむごたらしい仕置に....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
と考えこんだ。 その間に収録テープは、どんどんくりだされていた。脳波は、泉から
流れ出す清流《せいりゅう》のように空間に輻射《ふくしゃ》されていたのだ。 それ....
「人造人間の秘密」より 著者:海野十三
。わしは……」 といいかけた博士は、そこで急にことばをきって、熱心に受話器から
流れ出す音をきき始めた。 「おお、そうか。いよいよやって来たか」 「やって来た?....
「街の探偵」より 著者:海野十三
すと、床を匍うよ。ところが床下が、ほらこんなにすいている。すると必然的に、屋上に
流れ出すじゃないか。しかもその前に、待っていましたとばかり壁で囲まれた空気窓があ....
「道なき道」より 著者:織田作之助
な寿子の姿勢に、思わず苦笑した。しかし、やがて豪放な響きが寿子のヴァイオリンから
流れ出すと、彼等の表情は一斉に緊張した。彼等には今自分たちの前で「ラフォリア」を....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
ぶると、半分とも経たないうちに彼の上半身が奇怪な形に動き出し、額にはどろ/\汗が
流れ出す。横井はそれを「精神統一」と呼んだ。 「……でな、斯う云っちゃ失敬だがね....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ち仰向けに傘を投げたように四辻が拡がって、往来の人々は骨の数ほど八方へ雨とともに
流れ出す。目貫の町の電車の停留場がある。 ――ここは八郎と連立って、昨夜一度来....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
かばの暑い日で、九段坂を降りて小川町へさしかかる頃には、わたしの顔一面に汗の雫が
流れ出すくらいであった。万世橋から鉄道馬車に乗って上野まで行き着いて、それから浅....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
、どこからも川の出るところがない」とこう申しますと、いやそれはそうだが、この川の
流れ出す源はマウント・カイラスの西北方にある山間のチュコル・ゴンパという寺の東の....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
こともあった。すると彼女は嘲弄の針でエセックスをちくりと刺しておいて、男の目から
流れ出すじれったい涙を見物するのだった。検事総長の椅子とフランシス・ベエコンの運....