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「流れ渡り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

流れ渡りの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
おりというように、うしろから尼僧院のいと静かなる聖鐘が、物柔らかく一行の影の上に流れ渡りました。....
斜坑」より 著者:夢野久作
た女ではなかった。ちょうど福太郎がこの山に来た時分に、下の町の饂飩屋に住み込んだ流れ渡りの白ゆもじで、その丸ボチャの極度に肉感的な身体つきと、持って生れた押しの....
二重心臓」より 著者:夢野久作
口の込んだ泥棒でも這入ると、警察より先に久蔵親分の処へ知らせて来るというのです。流れ渡りの泥棒なんぞは、みんな等々力親分の縄張りを避けて通った。ウッカリ久蔵親分....
映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
人形芝居がすなわちそれである。 しかし、今私がかりにパリへ行ってその屋根の下を流れ渡り、辻の艶歌師を聞いたり、酒場の一隅に陣取ったりしていると想像した場合に、....
黒百合」より 著者:泉鏡花
赤襟にもこれほどの美なるはあらじ、ついぞ見懸けたことのない、大道店の掘出しもの。流れ渡りの旅商人が、因縁は知らずここへ茣蓙を広げたらしい。もっとも総曲輪一円は、....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
を知らざるもののごとし。これらの不都合は現に今の世に珍しからず。その原因は、ただ流れ渡りにこの世を渡りて、かつてその身の有様に注意することなく、生来今日に至るま....
世間師」より 著者:小栗風葉
でみたが、やっぱり同じことであった。いったいこの土地は昔からの船着場で、他国から流れ渡りの者が絶えず入りこむ。私のようなことを言って救いを乞いに廻る者も希しくな....