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流暢
「流暢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流暢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
、とても私は文学者になることはできない」。それで『源氏物語』を見てとてもこういう
流暢《りゅうちょう》なる文は書けないと思い、マコーレーの文を見てとてもこれを学ぶ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の隧道を出切る時分、食堂の中に椅子を占めて、卓子は別であるが、一|人外国の客と、
流暢に独逸語を交えて、自在に談話しつつある青年の旅客があった。 こなたの卓子に....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
事なしには私達は自分の心を語る事が出来ない。恋人の耳にささやかれる言葉はいつでも
流暢であるためしがない。心から心に通う為めには、何んという不完全な乗り物に私達は....
「海底大陸」より 著者:海野十三
。 「水兵さん、なにをいうんだ。あとからくわしく話をしてあげる」 と、三千夫は
流暢な英語でこたえた。 「やっ、おまえ、英語がしゃべれるのか。ほっほっ」 ドン....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
語がつい出た。すると「ええ、だけどちょいと近くですよ。余り面白くもありません」と
流暢な日本語が返ってきた。後の面々の年は外人だから分らない。何しろ三十以上四十ぐ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
或る力の圧迫にでも促された様に、急に「うん、そうだ」と独言を云って、又其の奇怪な
流暢な口辞を振い始めた。 処が世の中は芝居で固めてあるんだ。右の手で金を出すて....
「火星探険」より 著者:海野十三
てくれましたね。地球の諸君。お目にかかって、たいへんにうれしいです」 たいへん
流暢《りゅうちょう》なアメリカ語であった。 「おお、ありがとう、ありがとう」 ....
「地球要塞」より 著者:海野十三
「怪放送がきこえていますのよ。六万|MC《エムシー》のところなんですの」 姫は
流暢《りゅうちょう》な日本語で、早口に喋る。 「六万MC、するとこの間も、ちょっ....
「のろのろ砲弾の驚異」より 著者:海野十三
日本人です。その前は、印度に籍がありました」 「どうぞよろしく」 ロッセ氏は、
流暢な日本語で、金博士にいんぎんな挨拶をした。 博士は、無言のまま肯いて、私た....
「火薬船」より 著者:海野十三
を臨検する」 中国語に堪能な岸隊長は、船員たちのかおをぐっとにらみつけながら、
流暢な言葉で、臨検の挨拶をのべた。 そのとき、甲板にぞろぞろ出て来た船員たちの....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
俺を撃つのはいいが、そんな無理な姿勢じゃ、命中しやしないよ」 「火の玉」少尉が、
流暢なロシア語で一|喝した。 「なに、どうしてこっちの名を……」 怪ソ連人は、....
「東京要塞」より 著者:海野十三
なかった。 砲架の上にいた外国士官は、それを見るとつかつかと降りてきた。そして
流暢な日本語で、 「貴方、なぜ早くやりませぬか。云うとおりしないと、この大砲を撃....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
んか。あばれると、これだぞ!」 と、かの入墨の大男は、どこで仕入れてきたのか、
流暢なべらんめえ言葉で呶鳴ると、傍から、長い黒いものをとって小脇にかかえた。見れ....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
う、と私は思わず慄然とした。 室内は寂然した。彼の言は、明晰に、口|吃しつつも
流暢沈着であった。この独白に対して、汽車の轟は、一種のオオケストラを聞くがごとき....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
方のことはいっさい自分が責任を負っているので、若旦那には口を出す権利はない……。
流暢な東京弁で一気にまくし立てられるばかりか、その隼のような、じっと見据えられる....