流木[語句情報] » 流木

「流木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

流木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地球盗難」より 著者:海野十三
大きくみえる。だからネス湖の怪物というのも、その正体は案外近くの水面に浮いていた流木か、それとも何でもない蛇の頭だったかもしれないという話もあるそうだよ。すこし....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
震災後の十月十五日に酒匂川の仮橋を渡った。 川の岸辺にも川床にも、数限りもない流木が散らばり、引っかかっていた。 それが、大きな樹も小さな灌木も、みんなきれ....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
ぎお急ぎ、お急ぎお急ぎ!」 駕籠の一団はひた走る。 砂山がある。砂山を越す。流木がある。流木を飛ぶ。とまた砂山が出来ている。それを越さなければならなかった。....
南地心中」より 著者:泉鏡花
十六 その艶なのが、女の童を従えた風で、奴と彳む。……汀に寄って……流木めいた板が一枚、ぶくぶくと浮いて、苔塗れに生簀の蓋のように見えるのがあった。....
」より 著者:寺田寅彦
の知らぬ熊さんの半生は頼みにならぬ人の心から忘られてしまった。遠くもない墓の※に流木を拾うているこのあわれな姿はひしと心に刻まれた。 壮大なこの場の自然の光景....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
頭ぐらい、ごろごろしていました。おどろかさないように、そばへは行きませんでした。流木が、二本あります。二十年ぐらいも前に難破した船の、マストらしい、アメリカ松で....
アラビヤンナイト」より 著者:菊池寛
、私はそれに答えてから、口をきりました。それから、 「このあたりに流れついている流木を拾って、いかだを作りましょう。そして、もしもあの大入道を殺すことができなか....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
たとばかり思われたグレプニツキーが、無残な俘虜姿をさらしているのだ。 首には、流木の刺股をくくりつけられ、頭はまた妙な格好で、高く天竺玉に結び上げられている。....
藤九郎の島」より 著者:久生十蘭
。 藍色《あいいろ》に黒ずんだ二十間ほどの幅の潮の流れが瀬波のような音をたて、流木や芥《ごみ》が船といっしょに流れている。 「これはまァどうしたものだ。行く手....
日を愛しむ」より 著者:外村繁
で、逆にその水面には明るい半円を描いている。一般の伝馬船が極めて緩く動いている。流木や、塵芥を拾っているらしい。 死のことを思うと恐しい。しかし物質的なものへ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、その前には出ていた。ざくりざくりと薄墨色の砂を踏むと、昆布や赤い大きな蟹の殻や流木の砕片や、何かの脊椎骨が雨にじっとりと濡れて、北海の漁村らしい臭気が鼻をつい....
釜沢行」より 著者:木暮理太郎
集めた。鉈も鋸も邪魔だから持って来なかった。その為手近に枯木はあっても、遠くまで流木を拾いに出懸けなければならない。日は蒼茫と暮れて、烟の靡く南の方の少し開けた....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
た。硫黄の匂が稍強く鼻を刺激する。八丁ノ湯の附近であろう。此処は幸に河原が開けて流木も多い。濡れた物など乾しながら、飯を炊いたり汁を煮たり、ゆるゆる三度分の食事....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
東沢の合流点は、次第に川下へ移ったものらしい。洲の殆ど中央には三抱えもあろう太い流木が砂の中へ根を突張って、碇のように横たわり、大小無数の同じ仲間がそれに堰き止....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
在る小屋程もある大きな根無し岩が、此方側即ち左岸に近く立ちはだかって、上に一本の流木を戴いていた。大水の際に置き残されたものであろう。其岩の左は黒部川の全流が七....