流浪[語句情報] » 流浪

「流浪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

流浪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
った御恨みから、俄《にわか》に世を御捨てになって、ただ今では筑紫《つくし》の果に流浪して御出でになるとやら、あるいはまた東海の波を踏んで唐土《もろこし》に御渡り....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
童女が住んでいた。おぎんの父母《ちちはは》は大阪《おおさか》から、はるばる長崎へ流浪《るろう》して来た。が、何もし出さない内に、おぎん一人を残したまま、二人とも....
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
を注文しなくとも飯は食えるのだ。 予はあくまでも風のごとき漂泊者である。天下の流浪人である。小樽人とともに朝から晩まで突貫し、小樽人とともに根限りの活動をする....
三人の双生児」より 著者:海野十三
たまらない。なぜなら、その後父は不図心変りがして船を下り、妾を連れて諸所|贅沢な流浪を始めたが、妾が十歳の秋に、この東京に滞在していたとき、とうとう卒中のために....
食魔」より 著者:岡本かの子
附のベッドを据えた。もちろん贋ものであろうが、彼はこれを南北戦争時分にアメリカへ流浪した西班牙王属出の吟遊詩人が用いたものだといっていた。柱にラテン文字で詩は彫....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
いう意味は、楽しむという意味に外ならなかった。自分は今まであまりに動き漂う渦中に流浪し過ぎた。それで何ものをも纏って捉え得なかった。静かな固定した幸福こそ、真に....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
れるので、喜兵衛は更にすり寄って訊いた。 「それほどの名笛を持ちながら、こうして流浪していらるるには、定めて子細がござろう。御差支えがなくばお聴かせ下さらぬか。....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
重歯 右相丞|鄭雍の甥の鄭某は拱州に住んでいた。その頃、京東は大饑饉で、四方へ流浪して行く窮民が毎日つづいてその門前を通った。 そのなかに一人の女があった。....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
と言った表情をして、あの巨きな躯をすり附けて来るのでした。 落城後私があちこち流浪をした時にも、若月はいつも私に附添って、散々苦労をしてくれました。で、私の臨....
」より 著者:岡本綺堂
らも褒められた。 娘は江戸の生れであるが、七つの時に京へ移って、それから諸国を流浪して、しかも、継母にいじめられて、言いつくされない苦労をした末に、半分は乞食....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
もりじゃった』 源右衛門『はて、親切とおっしゃりますと』 阿闍梨『蓮如どのは永の流浪。たとえ北国辺土は教え靡くとも、都近くは留守の間の荒土。然るに叡山の西塔慶純....
平家蟹」より 著者:岡本綺堂
…。 おしお おお、それもごもっとも、みやこ育ちのおまえ様がたが、ここらの浜辺に流浪なされては、ほかに世渡りのすべもなし、御容貌のよいのを幸いに、ゆききの人にな....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
父の重蔵であった。今から殆ど三十年以前に、彼は角川家を出奔して、お杉と共に諸国を流浪して歩いた。が、頼むべき親戚もなく、手に覚えた職もないので、彼は到る処で種々....
活人形」より 著者:泉鏡花
次第、寄る辺定めぬ捨小舟、津や浦に彷徨うて、身に知る業の無かりしかば、三年越しの流浪にて、乞食の境遇にも、忘れ難きは赤城の娘、姉妹ともさぞ得三に、憂い愁い目を見....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
初めて自分を取戻したようにわが身を振返り、将来を考えた。朝鮮、満州、中国にわたる流浪の生活は無謀というより、むちゃくちゃであり、思い返せばわれながらぞっとする。....