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流用
「流用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流用の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惰眠洞妄語」より 著者:辻潤
万物交流の複合体は、すでに早くもその組立や質を変じて、それ相当のちがった地質学が
流用され、相当した証拠もまた次々の過去から現出し、みんな二千年ぐらい前には青ぞら....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
書いて、父はイギリスの織物会社からしきりにカタログを取り寄せた。中や表紙の図案を
流用しながら、自分の意匠を加えて、画工に描き上げさせ、印刷屋に印刷させて、問屋の....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
場委員会」だった。「共済会」の基金や「健保」の掛金が何処にどう、誰の利益のために
流用されているか。――香奠や出産見舞に職工が一々「礼状」を書かせられて、食堂の入....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
野宿するさまは物すごいとさえ言わるる。紀州はじめ諸藩士の家禄は削減せられ、国札の
流用はくふうせられ、当百銭(天保銭)の鋳造許可を請う藩が続出して、贋造の貨幣まで....
「一本の花」より 著者:宮本百合子
んだのかい」 と云った。 「売り込みさ、――また、ここの資金をこっそり学校の方へ
流用している事実があるとか何とか云って来たらしいんだ」 「誰が会ったんだ」 「鈴....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
文無しとも知らず安心してここに金銀をあずける者が多く、あずかった金銀は右から左へ
流用して、四方八方に手をまわし、内証を見すかされる事なく次第に大きい取引きをはじ....
「マードック先生の『日本歴史』」より 著者:夏目漱石
汽車が西洋の汽車の如く広い鉄軌《てっき》を走り、われらの資本が公債となって西洋に
流用せられ、われらの研究と発明と精神事業が畏敬《いけい》を以て西洋に迎えらるるや....
「作家のみた科学者の文学的活動」より 著者:宮本百合子
よく科学者に珍らしい詩人的要素とか審美的な感覚とかいう表現が、一つの讚辞として
流用されている。故寺田寅彦博士の存在は、文化の綜合的な享楽者または与え手という意....
「女性の歴史」より 著者:宮本百合子
百、何千、何万の娘たちの給料の半額を会社で預って、預った金を一ヵ月間会社のために
流用するなら、その金融的効力はどのくらいだろう。六年制の国民学校を出ただけの、子....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
いたので、各々旅費の借用を申込んだので、皆川氏は少し渋面作ったが終にいくばくかを
流用してくれた。大阪の見物はそこそこに済まして、いよいよ藩船の便で海路は別段の事....
「白い朝」より 著者:豊島与志雄
。」という答弁で、更に要領を得ません。それになお、芝田さんは内々、会社の金を多少
流用してる疑いもあるようです。いろいろなことで、探索やら勧誘やらに、今日、両派の....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
見ると三百円になっている。無心の子供に対して勝手なようで気が引けたが、一時これを
流用することにして現金仕入れを実行した。 おかげで原料が安く手まわり、一方雇人....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
これをたった一字変えるだけで、つまり白旗を赤旗にするだけで、現代の予言の一つに
流用できそうなところが面白い。 現代においても、いつごろが第三次大戦の危機かと....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
まで赤い花のために続々|殺《や》られるに及んでは、何者かはしれないが、この植物を
流用する者の目的は知れた。 幕府方への欝憤《うっぷん》と復讐《ふくしゅう》! ....
「瘤」より 著者:犬田卯
生諸費、汚物掃除費というのや、明らかに重複しているばかりかどんな風にでも小手先で
流用し得るような支出が多く、また、いったい会議費というのはどんな細目のものだろう....