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流者
「流者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「怪星ガン」より 著者:海野十三
見ているにたえなかった。じぶんもすぐ艇外へとびだして、あの気のどくな第六号艇の漂
流者たちのなかに身を投じ、ともに苦しみともにはげましあって、この危機の脱出に協力....
「恐竜島」より 著者:海野十三
っていた。距離は二三百メートルあった。 玉太郎は眸《ひとみ》をさだめて、その漂
流者を見た。 「あ、ラツールさんらしい」 玉太郎は、それから急いでいろいろな方....
「河霧」より 著者:国木田独歩
希望なき零落の海から、希望なき安心の島にと漂着した。 かれの兄はこの不幸なる漂
流者を心を尽くして介抱した。その子供らはこの人のよい叔父にすっかり、懐いてしまっ....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
碗で汲みこぼしたり、騒ぎが大きい。 面白そうに笑って作業をしながらも、天外の漂
流者という孤独の感が胸に迫る。 鼠色の印象(暴風雨前の富士山及び白峰山脈....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
、諸君がかれらの漂着したのをまだ知らないつもりでいる。そのうちかれらのひとりが漂
流者のごとくよそおって左門洞にきたり、助けをもとめて洞のなかにはいり、すきをうか....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
。偶然にも諸君は時を同じゅうしてこの孤島に漂流して来た。私もむろん諸君と同様、漂
流者の一人である。これまではおたがいに名も顔も知らなかったものばかりであるが、運....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
として世人に忘却されつつ、満足して世を去るという事は普通の日本人……世間並の国粋
流者の能くするところでない。 旧藩以来福岡市内|薬院に居住し、医業を以て聞こえ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
しかも機械製でなければ承知しないで、それをもって西洋風だと信じている感ちがいの亜
流者が多いから笑わせる。これはとんでもない穿き違いだ。ほんとに西洋流で往こうと言....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
。せっかく救けてあげたが、このまま帰りたまえ」 「え!」 「われわれは、外国の漂
流者を救助する義務はないのだ。すぐに、島を退去したまえ」 その声は、氷よりも冷....
「颱風雑俎」より 著者:寺田寅彦
ら想像されるからである。ことによると日本の歴史以前の諸先住民族の中にはそうした漂
流者の群が存外多かったかもしれないのである。 故意に、また漂流の結果自由意志に....
「哲学の現代的意義」より 著者:戸坂潤
うな形態を取って来た。或いは高々評論(エセイ)の形を採った。そこでモラリストの亜
流者達は、この歴史的な制約を打破する代りに却ってこの制約を神聖視し、モラルを科学....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
っていた。カントが元来又そうだった。それを宗派的なサンスクリットにしたものは、末
流者の徒である。尤もE・フッセルルの現象学的術語は、その学術上の便宜性に於て価値....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
すそこに安住して従順に静かになってゆく。彼らがくだらない芸術家とならずに善良な中
流者となるとしても、それはとがむべきことではないだろう。しかしその失意からは、ひ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
》をしても、無駄《むだ》なことだ。君たちには一つの考えしかない。成り上がって、中
流者流の温かい床の中に寝ることだ。ただわずかに数百人の土工たちだけが、なぜか自分....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
まり喋り過ぎた時は小憎らしいほどな小坊主が、この時は、いかにもしおらしい月下の風
流者であります。風
流者というより敬虔《けいけん》なる礼拝者のように見えました。 ....