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流血
「流血〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流血の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
その剣の光を見ると、突然|素戔嗚《すさのお》の心の中には、長い間眠っていた、
流血に憧《あこが》れる野性が目ざめた。彼は素早《すばや》く足を縮《ちぢ》めて、相....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
りはしなかったが、司令官か、参謀長かの一言さえあれば、刹那に、司令部の広間には、
流血の大惨事が、捲きおこるという、非常に緊迫した重大な危機に、立至った。 司令....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、無残な痙攣の跡が到る処にゆきわたっているばかりではなく、両眼にも、排泄物にも、
流血の色にも、まざまざと一目で頷けるものが残されていた。のみならず、その相貌は実....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
と走り寄った。半ば開かれた扉の間に、長身|痩躯の白髪老人が前跼みに俯伏して、頤を
流血の中に埋めている。 「ああ、ラザレフ※」ルキーンはガクッと両膝を折って、胸に....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
どは、一ぺんにふきとんでしまった。隊員のなかにも、怪我人がそれからそれへと現れ、
流血は氷上をあかくいろどった。 空魔艦は、都合三十個の爆弾をおとし、天幕がすっ....
「流線間諜」より 著者:海野十三
帆村君」と、顔馴染の大江山捜査課長が赭い顔を現した。「お招きによってどんな面白い
流血事件でもあるのかと思って来たが、これは尖端嬢が目を廻しただけのことじゃないの....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
激突する氷塔の砕片。それが、風に煽られて機関銃弾のようになり、みるみる人夫の顔が
流血に染んでゆくのだ。まさに流れる氷帯ではなく、氷の激流。ここだけは、永遠に越え....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ような裂罅が縫合部を蜒り走っているが、何れも左右の楔状骨に迄達している。そして、
流血が腫起した周囲を塗って火山型に盛り上り凝結している所は、宛ら桜実を載せた氷菓....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
な、半ばどんよりとした、神秘の光が覆うているのだ。 こうして、最初のうちこそ、
流血を予期された事態が、計らずも一変した。軍船も砲列も、毒矢も、火箭も、ただいち....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
白に変っていって、なにか心中の幻が、具象化されたのではないかと思われた。 その
流血は、ほんの一、二分前から始まったらしく、硝子の上を斜めの糸がすういと引いてい....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
の一座には、日本で一ヶ所と云ってもよい特殊な上演種目があった。それがほかならぬ、
流血演劇だったのである。 そこで、一つ二つ例をあげて云うと、「東山桜荘子」の中....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
分離していた多くの謎が、そこで渾然と一つの形に纏まり上っている。梵字形の創傷も、
流血の消失も、浄善の咽喉に印された不可解な扼痕も……それ等凡て一切合財のものが、....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
て酸鼻に堪えざらしむるものあり。然るに幕府の始末はこれに反し、穏に政府を解散して
流血の禍を避け、無辜の人を殺さず、無用の財を散ぜず、一方には徳川家の祀を存し、一....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
植民地なり。これに反して、南アフリカは対土人、対オランダ人等の植民地にして、戦闘
流血の間に発展しきたれる新開地なれば、自然にこれに移住せるものも、品性上の相違あ....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
底的に蹂躙された。われらは悲憤の涙にくれ、五月十二日を忘れるなと叫び、この日を“
流血の金曜日”と名づけたものである。 この暴力の背後にひそむものは軍閥であり、....