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流行る
「流行る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流行るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
てえことがあるんですよ。わっしの近所にどうも変なことが流行り出してね」 「なにが
流行る、麻疹じゃあるめえ」 「そんなことじゃあねえので……」と、庄太はまじめにさ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
めかけて来るので、玄関にはいつでも十四五人が待ちあわせている。なるほど、なかなか
流行ることだと半七は思っていると、やがて自分の番がまわって来て、かれは正面の祈祷....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なぜ止したんだ」 「へえ、どうもあの楽屋は風儀が悪うござんして、御法度の慰み事が
流行るもんですから……」 「爺さんもあんまり嫌いな方じゃあるめえ。時に、家の幸次....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
が先生、あいたかった、と目に涙でも何でもねえ。家は空いたか、と云うんでさ。近頃|
流行るけれど、ありゃ不躾だね。お前さん、人の引越しの中へ飛込んで、値なんか聞くの....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
あるから、市中の取締りも決しておろそかにはしなかった。町奉行所ではこの頃しきりに
流行るという辻斬りに対して、厳重に探索の網を張ることになった。庄兵衛も薄うすそれ....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
この方が適当であった。前には濃い紫と云ったけれども――肩に手を掛けたのは、近頃|
流行る半コオトを幅広に着た、横肥りのした五十|恰好。骨組の逞ましい、この女の足袋....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ね。」 「それは何、懇意な男だから、先方でもそう言ってくれるけれども、上手なだけ
流行るので隙といっちゃあない様子、それも気の毒じゃあるし、何、寝ているほどの事も....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
に言ったことがあるね。この頃その短歌滅亡論という奴が流行って来たじゃないか。 A
流行るかね。おれの読んだのは尾上柴舟という人の書いたのだけだ。 B そうさ。おれ....
「名士訪問記」より 著者:海野十三
」 「どういたしまして。なかなか高い料金をいただくことにしています。」 「それで
流行るとは、一体どういうわけかな。どうも分らない。」 「それはそれだけの値打があ....
「兜」より 著者:岡本綺堂
帰った。 三 下谷の坂本通りで善吉を斬ったのは何者であるか、このごろ
流行る辻斬りであろうというだけのことで、遂にその手がかりを獲ずに終った。主人をう....
「荘子」より 著者:岡本かの子
荀子は人間性悪説を執り法治論社の一派を形造った。墨子の流れを汲む世界的愛他主義が
流行るかと思えば一方楊朱の一派は個人主義的享楽主義を高唱した。変ったものには「白....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
えないのに、白く照り栄えたるおもてを少しく俯向かせて、鴉のように黒い髪をこのごろ
流行る茶屋辻模様の練絹の小袖の肩にこぼしている姿は、然るべき公家か、武家の息女か....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
段を、洋袴の割股で押上った。この肥ったので、二階へ蓋をしたように見えました。 「
流行るんだなあ。」 編輯、受附、出版屋、相ともに持込むばかりで、催促どころか、....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
いよ毀して行くのも此頃です。子供が竹馬に乗って歩くのも此頃です。火の番銭の詐欺の
流行るのも此頃です。しかし風のない晴れた日には、御堀の堤の松の梢が自ずと霞んで、....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
瘡痲疹の病人の間食や見舞物は軽焼に限られるようになった。随ってこの病気が流行れば
流行るほど、恐れられれば恐れられるほど軽焼は益々|繁昌した。軽焼の売れ行は疱瘡痲....