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流行性感冒
「流行性感冒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流行性感冒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
なければならなくなって来た。 病勢がこんなになるまでの間、吉田はこれを人並みの
流行性感冒のように思って、またしても「明朝はもう少しよくなっているかもしれない」....
「如是我聞」より 著者:太宰治
まえがどんな態度をとったか、よかれあしかれ、てんで書けないじゃないか。家内中が、
流行性感冒にかかったことなど一大事の如く書いて、それが作家の本道だと信じて疑わな....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
よく似た感冒が非常に流行して、その時に誰かがお染という名を付けてしまった。今度の
流行性感冒もそれから縁を引いてお染と呼ぶようになったのだろうと、或る老人が説明し....
「途上の犯人」より 著者:浜尾四郎
に直接のヒントを与えたのは、あの頃、私の住んでいるA県下一体を襲った猛烈な悪性の
流行性感冒だったのです。私のつとめていた小学校の生徒が、毎日一人位ずつの増加率を....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
き通している男だが、向うではとうとう風一つ引かずに出て来た。そして出るとすぐ例の
流行性感冒にやられて一月近く寝た。 こういった冬の、また千葉でのある日のこと。....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
持するためだ、国民に文句はない筈である。 三、荒木陸相の流感以後 今年の
流行性感冒は非常に悪質で、私なども一カ月も寝ていたために、前号の「社会時評」の原....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
たらしいですわ」 仁科たか子は、夫六郎の枕許にすわっていた。欠勤四日目である。
流行性感冒にかかって仁科六郎はひどく高熱を出して苦しんだ。たか子は献身的に看護し....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
期まで延ばされるだろう、と信ぜらるる余地があった。 四月の後半に、オリヴィエは
流行性感冒にかかった。彼は毎冬たいてい同じ時期にそれにかかって、古い気管支炎を再....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
はほとんどみな抜き取られていた。彼女を吹き倒すにはちょっとした風で足りた。彼女は
流行性感冒で亡くなった。その病気がぶり返した前日、クリストフからよい手紙を受け取....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
察いたしますので、それについて御答えした方がよろしいかと存じます。 小生診察の
流行性感冒患者に亜黄疸又は中等度の黄疸があって肝臓の肥大ならびに圧痛を伴うことに....
「髭の謎」より 著者:小酒井不木
す。 ところが今から六日前、すなわち一月十一日の晩、博士はある会合から帰ると、
流行性感冒にかかって発熱されたそうです。博士は医者にかかることが嫌いで、いつも自....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ら、その返事に、これで私も安心して逝かれます、としてありました。 その秋地方に
流行性感冒の蔓延しました時、はつは年は取っても元気を出して、あちこちの看病に雇れ....
「罠に掛った人」より 著者:甲賀三郎
が、彼の握りしめた拳は興奮の為にブルブル顫えた。 この春、彼と妻とは続いて重い
流行性感冒に罹った。ずっと失業していた友木は、それまでに親戚や友人から不義理な借....
「犬神」より 著者:小酒井不木
親が今まで生きて居れば、田舎で百姓相手に暮す筈であったのである。ところが、先年、
流行性感冒が流行ったとき、父母が同時にたおれ、それ以来、私は地主さまで収まって居....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
能く似た感冒が非常に流行して、その時に誰かがお染という名を付けてしまった。今度の
流行性感冒もそれから縁を引いてお染と呼ぶようになったのだろうとある老人が説明して....