流行歌[語句情報] » 流行歌

「流行歌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

流行歌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
ほど遠い所から聞こえてくる鈍い砲声、その間に時々竹を破るように響く小銃、早拍子な流行歌を唄いつれて、往来をあてもなく騒ぎ廻る女房連や町の子の群れ、志士やごろつき....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
がついているくらい醜かった。声も醜く、押しつぶされたように荒れていたのは、一日中流行歌をうたっているせいばかりでなく、この女中の生活の荒れでもあった。人間はよか....
放浪」より 著者:織田作之助
。念仏のように唱えた。美津子にはっきり嫌われたと蒼い顔で唱えた。近所のカフェから流行歌が聞えて来た。何がなし郷愁をそそられ、その文吉のことなども想い出し、泣いた....
ゼラール中尉」より 著者:菊池寛
べてのバーやカフェーの女は、調子のよいゼラール中尉を知っている。パリからの新しい流行歌《はやりうた》を、リエージュでいちばん先に歌うのもこの中尉である。パリ下り....
世相」より 著者:織田作之助
て置けば当時の千日前を偲ぶよすがにもなろうとは言うものの、近頃放送されている昔の流行歌も聴けば何か白々しくチグハグである。溝《どぶ》の中に若い娘の屍体が横たわっ....
三狂人」より 著者:大阪圭吉
だてらに女の着物を着て可憐なソプラノを張りあげ、発狂当時覚えたものであろう古臭い流行歌を夜昼なしに唄いつづけては、われとわが手をバチバチ叩いてアンコールへの拍手....
ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
な顔をしているんじゃありませんか。」 私は折々Yが、明るい湯殿の中で大きな声で流行歌などを歌いながらはいって、湯から上がると二階の縁側の籐椅子の上に寝ころんで....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
、時折、その長い垂れさがった紙ひもが頬をなでた。私は又、寐ている間、看護婦の唄う流行歌を覚えた。母は、子供の前で絶対に歌ってならないと命じていたが、吸入器の掃除....
夜光虫」より 著者:織田作之助
も、ネオンサインが大阪の盛り場の夜空を赤・青・紫に染めていた頃の、昔の甘い浅薄な流行歌を、焼跡のバラック建の食堂の中で、白昼きいていることが、奇妙なのか。 い....
秋深き」より 著者:織田作之助
んでいた。 夕闇が私の部屋に流れ込んで来た。いきなり男の歌声がした。他愛もない流行歌だった。下手糞なので、あきれていると、女の歌声もまじり出した。私はますます....
古陶磁の価値」より 著者:北大路魯山人
近頃はこの芸術という二字が非常に濫用されまして、ちょっと女優が踊を踊っても芸術、流行歌をレコードへ入れてもそれが芸術だという、そんなことになってくると芸術は大分....
放浪」より 著者:織田作之助
念仏のように唱えた。美津子にはっきり嫌われたと蒼い顔で唱えた。近所のカフェーから流行歌が聞えて来た。何がなし郷愁をそゝられ、文吉のことなども想出し泣いたろ、そう....
四つの都」より 著者:織田作之助
いるかい、葉子ちゃん」 葉子「うちはハイカラな文句は何にも知らん」 鶴三「うちは流行歌は扱わない事になってますんでね」 葉子「蜂谷さんの文句、みんな雨のことばっ....
和製椿姫」より 著者:大倉燁子
は封筒をよこした。私は差出人の名を見てちょっとびっくりした。それはいま売り出しの流行歌手、しかも評判のいい青年であった。 翌日私は青年を訪問した。 彼は少し....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
来ます。 【古老の話 その三】 柴大人の威勢というものはその頃は大したもので、流行歌にまで歌われたものです。つい二十年位までは、この北城一帯では子供らがあんま....