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流説
「流説〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流説の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「光と風と夢」より 著者:中島敦
ちょう》の来往、漸《ようや》く繁し。 六月二十七日 街へ下りてニュウスを聞く。
流説紛々。昨夜遅く太鼓が響き、人々は武器を取ってムリヌウに馳《は》せつけたが、何....
「俳句の精神」より 著者:寺田寅彦
に述べてみたいと思う自己流の俳句観のはしがきのような意味で、やはり自己流の俳句源
流説を略記して一つには初心読者の参考に供し、また一つには先輩諸家の批評を仰ぎたい....
「ドレフュー大疑獄とエミール・ゾーラ」より 著者:幸徳秋水
敗せしむる較著なる例証也。 見よ其裁判の曖昧なる其処分の乱暴なる、其間に起れる
流説の奇怪にして醜悪なる、世人をして殆ど仏国の陸軍部内は唯だ悪人と痴漢とを以て充....
「あとがき(『モスクワ印象記』)」より 著者:宮本百合子
ところが今日のわたしたちの一方の耳からは絶えずソヴェトに対する中傷や事実の不明な
流説がつぎこまれるためにソヴェト社会の実際をありのままに知りたいという気持は一層....
「死者の書」より 著者:折口信夫
う、と言う噂も聞かれた。 まだ公の供養もすまぬのに、人の口はうるさいほど、頻繁に
流説をふり撒いていた。あの多聞天と、広目天との顔つきに、思い当るものがないか、と....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
にない。たぶん、睡眠不足であったと思う。私は人間は四時間ねむればタクサンだという
流説を信仰して、夜の十時にねむり、朝の二時に起きた。これを一年つづけているうちに....
「便乗型の暴力」より 著者:坂口安吾
りで、根は暴力的な対立にすぎない。 下山事件が起ったときに、左翼の報復だという
流説につづいて、左翼の犯行と思わせるための右翼の陰謀だという
流説の応酬が起った。....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
が流布して、ここが本土の最初の戦場になることを土地の人々が信じはじめた。 その
流説を裏書するように、一個師団がゴッソリかくれて敵の上陸を待ちぶせることが出来る....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
空想的な産物で、その原型は、むしろ切支丹が胸にきる十字、そして金鍔次兵衛の存在や
流説などがその有力な原型ではなかったかね。日本の忍術使い、甲賀者は切支丹以前から....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の中にはなかなか感ずべき事が沢山あります。始めサラット居士が帰るや否やチベットに
流説が起りました。その時分に大獅子尊者はもはや自分に禍の及ぶことを自覚して居られ....
「三国志」より 著者:吉川英治
、直ちに宮中の内官たちの言動を調べさせた。出師の不在中孔明を誹謗したり、根もない
流説を触れまわったりしていた悪質の者数人は前から分っていたのですぐ拉致されて来た....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
もない朝廷に謀反などを。……いや、もしその声ありとせば、事を好む人間どものあらぬ
流説にちがいないわ。――さような者を取締まるこそ、六波羅の任。まずは、武者所の者....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
共にどこかで指揮をとっている」 時も時ではあり、熱病の熱が再発したように、この
流説はぱっと拡がり、かつ一般に信じられていた。 六波羅のうけた衝撃は小さいもの....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
しまったもようでございますぞ!」 人々は、仰天して、 「そんなはずはない」 「
流説であろう」 「何かの、まちがいか?」 と騒いだが、それの実否をただすまもな....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
、遭難当時の一と頃、世上に喧しく聞えた種々な取沙汰を今更のように思い出して、その
流説にまどわされて、きょうまで官兵衛に抱いていた誤った認識をそれぞれ心のうちで急....