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流転
「流転〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流転の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「尾生の信」より 著者:芥川竜之介
と高く昇ってしまった。……
それから幾千年かを隔てた後《のち》、この魂は無数の
流転《るてん》を閲《けみ》して、また生を人間《じんかん》に託さなければならなくな....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
》なす数なき星のその中に吾《われ》に向ひて光る星あり
しかし星も我我のように
流転を閲《けみ》すると云うことは――兎《と》に角《かく》退屈でないことはあるまい....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
った或るものとして私にせまる。又或る時は眼もくらむばかりかがやかしい、瞬間も動揺
流転をやめぬ或るものとして私にせまる。私はそのものの隅か、中央かに落された点に過....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
たと言われている。かくのごとくして愛の二元論が始まった。すなわち二個の霊は空間を
流転してとどまることを知らず、ついに合して始めて完全な宇宙をなす。人はおのおの希....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
桶を買ふ暑さ哉 (大正13・7「読売新聞」) 郊外生活の一年 震災以来、諸方を
流転して、おちつかない日を送ること一年九ヵ月で、月並の文句ではあるが光陰流水の感....
「もくねじ」より 著者:海野十三
、もう観念の外はない。再びあのりっぱな機械の穴へは戻れないことになってしまった。
流転 それから先の話は、あまりしたくない。 ぼくは二十日、壊れた木箱の下にい....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
――遠僻の荒地に国がえとなった。後に再び川越に転封され、そのまま幕末に遭遇した、
流転の間に落ちこぼれた一藩の人々の遺骨、残骸が、草に倒れているのである。 心ば....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
が、ろくに名も知らない人たちです。 墓は、草に埋まって皆分りません、一家遠国へ
流転のうちに、無縁同然なんですから、寺もまた荒れていますしね。住職も留守で、過去....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、というと、そうでない。ママ、ごよごよは出たり引いたり、ぐれたり、飲んだり、八方
流転の、そして、その頃はまた落込みようが深くって、しばらく行方が知れなかった。ほ....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
帰つてから、ふたたび松山を去るまでの一年間に私の見た写真が数本ある。 伊藤の「
流転」、「忠次旅日記甲州篇」、現代劇で「彼を繞る五人の女」、阪妻の「大義」、右太....
「慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
にて相当の生活を営みいたりしが、磯貝の父のために財産を差押えられ、妻子にわかれて
流転の末に、鹿沼の町にて職工となりたる也。兇行の当夜は小せんの情夫と共に日光に来....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
したようにいったのであるが、何のおかみさん、日傘が深張になったのは、あえて勝山の
流転のごとき、数の奇なるものではない。 「まだまだね、お前さん、このくらいなこと....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、私は大阪へ行っていました。 ああ、信州の姉の方ですか。――これも芸妓で方々を
流転して、上田の廓で、長唄か何か師匠をしている、この方は無事で、妹の骨を拾ったん....
「郊外生活の一年」より 著者:岡本綺堂
震災以来、諸方を
流転して、おちつかない日を送ること一年九ヵ月で、月並の文句ではあるが光陰流水の感....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
に両国橋を渡りながら大川の向うに立ち並んだ無数のバラックを眺めた時には実際烈しい
流転の相に驚かない訳には行かなかった。僕の「大溝」を思い出したり、その又「大溝」....