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流通
「流通〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流通の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
ら、旧円を新円に替えることも、通帳から生活資金を引き出すことも出来なかった。旧円
流通の期限が来ると、宿賃はおろか電車にも乗れないと、陽子は狼狽した。 新聞には....
「鯉魚」より 著者:岡本かの子
しまったら相手は誠に張合いの無いものとなります。悟るということは、生命の遍満性、
流通性を体証したことで、一|匹《ぴき》の鯉魚にも天地の全理が含《ふく》まれるのを....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
よ。あらゆるものを認めてそれを一たん無の価値にまで返し、其処から自由性を引き出す
流通無碍なものということなのよ。それこそ素晴しく闊達に其処からすべての生命が輝き....
「新時代女性問答」より 著者:岡本かの子
語が出て、それを読めば自分の程度の新しさと一致する心よさがあり、見るものすべてが
流通|無碍になっただけ、それだけ女性全般の中に蓄積されたものがない様に思います。....
「夢殿」より 著者:楠山正雄
の前の地びたにぺったりひざをついたままうやうやしく、 「敬礼救世観世音菩薩。妙教
流通東方日本国。」 と申しますと、日羅の体から光明がかっと射しました。そして太....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
はある種の仲介者があって、あたかも電気の線のごとくに、他の頭脳からわたしの頭脳へ
流通させたものであると信じられるのです。 人間は体質によって自然に化学的に出来....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
から……」と、船医は答えた。 「わたしも苦情を言いますね。どうもあの部屋は空気の
流通が不完全ですよ。あんな所へ入れるなんて、まったくひど過ぎますな」 「実際です....
「取舵」より 著者:泉鏡花
。 俵はほとんど船室の出入口をも密封したれば、さらぬだに鬱燠たる室内は、空気の
流通を礙げられて、窖廩はついに蒸風呂となりぬ。婦女等は苦悶に苦悶を重ねて、人心地....
「秋深き」より 著者:織田作之助
病気のことを隠すわけにはいかなかった。 「……実は病気をしておりますので。空気の
流通をよくしなければいけないんです」 すると、女の顔に思いがけぬ生気がうかんだ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
薄きものは、たとえ三十分間おさえおるも移ることなく、男女三人なればよく移り、空気
流通して精神を爽快ならしむる場所にては、移ること遅し。櫃の蓋の上に風呂敷を覆えば....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
薄きものは、たとえ三十分間おさえおるも移ることなく、男女三人なればよく移り、空気
流通して精神を爽快ならしむる場所にては移ること遅く、櫃の蓋の上に風呂敷を覆えば、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
くなる等は、台湾鹿港の市街に同じ。かく街路狭く、家屋高く(みな二階造り)、空気の
流通あしきために、異様の臭気鼻をつききたる。西人これを評して、カントンには三百六....
「幸福に暮らした二人」より 著者:小川未明
が、数えることのできないほどたくさんにあって、世界の文明がゆきわたっている国々に
流通しているということなどは知りませんでした。だから、「なんにするのだろう?」と....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
を生むのも踊に現わすのもその精神とするものは凡ては一つで、二つではあるまい。この
流通こそはおのずからに現われて来るものだ。だからたとえば、私も踊る。ではあるが、....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
において、これを穢れたるものとして区別するの必要はなかった筈である。しかるに仏教
流通の結果として、はてはかつて獣肉を供物として捧げた筈の我が天神地祇までが、肉食....