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流連
「流連〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流連の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
の旦那が、 伴「夫《それ》は手附かずに出すが宜《い》い」 と云うので、二日|
流連《いつゞけ》をさせて緩《ゆっ》くり遊興をさせ、充分金を遣わせて御用聞と話合い....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
)過ぎで、栄之丞は夏の日を編笠によけながら出て行くと、八橋の座敷には次郎左衛門が
流連《いつづけ》をしていた。彼女は栄之丞にささやいて、次郎左衛門には自分の従弟《....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、いちいちうるさいおしゃべり屋ですが、しかしまた一面からいえば無理もないのです。
流連《いつづけ》大バカ、朝がえり小バカ、いきは昼間のないしょ遊びと番付はできてい....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
てどこというあてもなく、ぶらりぶらりと二廻りしてしまったのが丁度四ツ半下り、――
流連《いつづけ》客以外にはもう登楼もままならぬ深夜に近い時刻です。わびしくくるり....
「世相」より 著者:織田作之助
ますます石田と離れがたくなり、石田だけが彼女を満足させた唯一の男であった。四日|
流連《いつづ》けて石田は金を取りに帰った。そして二日戻って来なかった。ヒステリー....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
云う迄もない。男が手数料を出したとすれば、高価《たか》い、まずいオイランを買って
流連《いつづけ》した気で思い切る事になる。女が出したのならば……安い情夫に入れ上....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
桐はじめ烏金の絶倍で、しばしばかいがんの掴みだと思うと、手八の蒔直しで夜泊の、昼
流連。祖母さんの命を承けて、妹連から注進櫛の歯を挽くがごとし。で、意見かたがたし....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ながら――東京もまた砂|埃の戦を避けて、家ごとに穴籠りする思い。 意気な小家に
流連の朝の手水にも、砂利を含んで、じりりとする。 羽目も天井も乾いて燥いで、煤....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
ケではない。私は数ヶ月、門外にでず、仕事に没頭する代りには、いったん家をでると、
流連、帰るを忘れるような無頼の生活にふけることも多い。そういう時の借金で、数ヶ月....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
らない。松前行きの便船がでるまで待て、というので、一行は一ヶ月ほど塩竈の遊女屋に
流連して便船を待った。もうヤケだった。召し捕るなり、殺すなり、勝手にしろ。刀をふ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ある。狼イナリのお札に相違ない。 彼女はお札をそッと元へおさめた。父はお茶屋に
流連でまだ戻ってこないし、兄は商用で朝早く外出していた。彼女は川根の姿を見つけだ....
「みやこ鳥」より 著者:佐藤垢石
一度吉原の情緒を覚えてから、私の心は飴のように蕩けた。 しまいには、小塚っ原で
流連するようになった。朝、廓を出て千住の大橋のたもとから、一銭蒸気に乗って吾妻橋....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
かなかった」と昔を憶出して塚原老人はカラカラと笑った。この頃の或る新聞に、沼南が
流連して馴染の女が病気で臥ている枕頭にイツマデも附添って手厚く看護したという逸事....
「夏日小味」より 著者:北大路魯山人
ることは言わずもがな、新鮮な大根を求めることにある。 錦木――京の木屋あたりで
流連でもしたご経験のある方なら、先刻ご存じのもの。宵の遊び疲れで、夜の明けたのも....