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「流麗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

流麗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
けの雅量を持つていないだろうし、同じくわかりやすい発声のうちでも特に耳に快く響く流麗なものにひかれるであろうから。 現在の映画俳優は発声に関するかぎり未熟とい....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
無い美しい歌である。 此歌が秀歌として持てはやされ、六帖や新古今に載ったのは、流麗な調子と、「かげ見えて」、「今か咲くらむ」という、幾らか後世ぶりのところがあ....
三斜晶系」より 著者:寺田寅彦
が二十年前のこういう種類の飲食店だと、店の男がもみ手をしながら、とにかく口の先で流麗に雄弁なわび言を言って、頭をぴょこぴょこ下げて、そうした給仕女をしかって見せ....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
訪問した。雪枝は内弟子に住みこませることを快く引き受けてくれたが、詩も作り手蹟も流麗で、文学にも熱意をもっているので、葉子も古い昵みのように話しがはずんだ。庸三....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
耳に反感を起こさせるだけのものがあった。しかしながら、コリーヌのなごやかな声――流麗で純潔で、水中の一条の光線のように音楽の中に動きゆき、あらゆる旋律《メロディ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
破滅とに打ち任せられていた。クリストフが出会った若い音楽家のうちには、この民族の流麗な楽匠の魂と、過去の賢明簡素な芸術を貫いてる美の本能とが、心の中によみがえっ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
満ちたる長き管を。」 その盗賊は自ら少しも弁護をしなかった。そして検事の巧妙流麗な弁論によって、その強盗には共犯者があったこと、およびジャン・ヴァルジャンは....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
楼観、旗輩車容ノ類、皆、秀雅鮮麗ト挙ゲラレ、世ニ趙伯駒ノ後身ナリト称セラル、特ニ流麗細巧ヲ極メシ歴史風俗画ニ於テハ艶逸比スベキモノナク、明代工筆ノ第一人者トイフ....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
むか》って反対の第一矢を放ったる耳新しき実利主義と、この卓抜なる思想にふさわしい流麗雄渾なる行文とは、忽《たちまち》にして世人の視線を聚《あつ》め、未だ読まざる....
一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」より 著者:宮本百合子
作のようにいわれた谷崎潤一郎の「春琴抄」がひとしく句読点もない昔の物語風な文章の流麗さで持てはやされたことと思い合わせ、私は日本の老大家の完成と称するものの常態....
ツルゲーネフの生きかた」より 著者:宮本百合子
える習慣、婦人に対してつくす男の騎士道などというものを疑わず、その上に安住して、流麗な、傍観的態度でどっちかといえば甘い、客間で婦人たちに音読してきかせるにふさ....
藤村の文学にうつる自然」より 著者:宮本百合子
すくなくうたわれているのが私達の注目をひく。「うぐひす」には、これまでの詩の華麗流麗な綾に代る人生行路難の暗喩がロマンティックな用語につつまれつつ、はっきり主体....
道標」より 著者:宮本百合子
としたプリマドンナにはない生々しさで演じられた。歌詞がロシア語で歌われるために、流麗なメロディーにいくらかロシア風のニュアンスがかげを添え、その晩の『椿姫』は、....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
日記は、一葉にとって初めは小説をかく勉強のつもりだった。「かれ尾花」と同じような流麗ではあるが型にはまった和文脈の文章でかかれている。 萩の舎へ行かないときは....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
めた。そうして淋しい訴えるような口調で物を云い初めたが……その言葉は思いもかけぬ流麗な英語であった。さながらに名歌手の唇と情緒を思わせるような……。 「お撃ちな....