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浄財
「浄財〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浄財の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
《あさぎ》の幟《のぼり》を杖にいたし、二年余も勧化《かんげ》にあるき、一文二文の
浄財をあつめまして漸《ようよ》う谷中へ一基の塚をたてました。扨《さ》て永々続きま....
「明暗」より 著者:夏目漱石
に対しても済まないよ。しかしこれは何でもないんだ。余裕が空間に吹き散らしてくれる
浄財《じょうざい》だ。拾ったものが功徳《くどく》を受ければ受けるほど余裕は喜こぶ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
度も時と場合によりけりじゃ。普き信者が信心こめた献納の祠堂金は、何物にも替え難い
浄財じゃ。それなる替え難い
浄財を尊き霊地に於てスリ取った不埒者匿うことが、何の慈....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
今日は緋色を飾るも、また黄金の力たり。堂塔の新築改造には、勧進、奉化、奉加とて、
浄財の寄進を俗界に求むれども、実は強請に異ならず。その堂内に通夜する輩も風俗壊乱....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
いだ、広海屋火事の晩|非業《ひごう》に倒れた浜川平之進と、相役をつとめて、賄賂不
浄財《わいろふじょうざい》を取り蓄《た》め、今は隠居を願って、楽々と世を送ってい....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
起こるぞよ、ということになるのだそうで、この予言を活かすために昭和神聖会は巨万の
浄財を撒き散らして信徒を農民の内に着々と開拓しつつあるらしい、という噂なのである....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
の浜の石屋が方へ行かれたげじゃ。 のう、先生様は先生様、また難有いお方として、
浄財を喜捨なされます、その奥様の事いの。 少い身そらに、御奇特な、たとえ御自分....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
云うんだわ。前川さんは、演劇の愛好者だわ。その方が芸術のために、下さったお金は、
浄財よ。それを頂くことなんか、恥でも何でもないわ。だから、私前川さんに、個人で頂....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
五億円に近い黄金を、持参したということであり、その金ははたして布教一方に用いる、
浄財と認めてよいだろうか? それとも宗教に名を藉りて、日本侵略を心掛け、その工作....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
飛加藤の亜流は惜気もなく、多額の金子を与えたというから、淀屋の財宝はその方面に、
浄財としてあるいは使われたのかもしれない。 松女がその後有髪の尼として、清浄の....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
別も出でず、田地を買わんか畠買わんか、田も畠も余るほど寄附のあれば今さらまたこの
浄財をそのようなことに費すにも及ばじと思案にあまして、面倒なりよきに計らえと皺枯....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
な人物として、抱えられたのである。 宝蔵には、社寺の宝物ばかりでなく、寄附者の
浄財が、現金である。 この山中、それは常に、山の者の襲撃に、脅かされていた。 ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
まっていたのである。――勧進元は、祇園の僧|行恵という者で、四条大橋を架すための
浄財をあつめるのが主目的であり、役者も新座本座の一流をよりすぐった大興行であった....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
を共にした。その鉄眼はまた、飢饉の年でもあると、そんなにして集めた大蔵経のための
浄財を投じて、買えるだけの米を買い、大坂、京都、江戸の三都で、飢民を救った。 ....