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浅蜊
「浅蜊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浅蜊の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年」より 著者:芥川竜之介
いるのもやはり法螺貝《ほらがい》と云うのであろうか? この砂の中に隠れているのは
浅蜊《あさり》と云う貝に違いない。……
保吉の享楽は壮大だった。けれどもこう云....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いつと一緒に番屋まで来てくれ」 二人を引っ張って、半七は近所の自身番へ行った。
浅蜊の殻を店の前の泥に敷いていた自身番の老爺は、かかえていた笊をほうり出して、半....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いた。 「と云って、おどかしただけで、実はさんざんの体で引き揚げて来たんですよ。
浅蜊ッ貝を小一升と、木葉のような鰈を三枚、それでずぶ濡れになっちゃあ魚屋も商売に....
「猫車」より 著者:宮本百合子
実的な圧迫を感じさせられるのであった。 お縫は、やがて下駄を突かけて、ゆうべの
浅蜊の殼をもって裏へまわった。古い無花果《いちじく》の木の下に手造りの鶏小舎があ....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
も知れん。馬鹿|吐け。見てんやい。眼球ア白うなっとるし、睾丸も真黒う固まっとる。
浅蜊貝の腐ったゴト口開けとる奴ばドウするケエ』 『まあまあ。そう云うな。一人息子....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
馬鹿にもならぬ咽喉を聞かすなぞ、どこまでも面白く出来ている。お土産は小雑魚よりも
浅蜊、蛤の類、手に手に破れ網の古糸をすき直して拵えたらしい提げものに一ぱいを重そ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
場処によると――あすこがもう水道橋――三崎|稲荷の朱の鳥居が、物干場の草原だの、
浅蜊、蜆の貝殻の棄てたも交る、空地を通して、その名の岬に立ったように、土手の松に....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
族の衣食もそれに准じて粗末なもので辛棒させて、魚や肉などは余りに買わないで多くは
浅蜊《あさり》や蛤《はまぐり》または鰯売り位を呼込んで副菜にし、あるいは門前の空....
「おみな」より 著者:坂口安吾
、砂の上に大きな蛤の並んでいるのを拾うことが出来たものだ。私は泳ぎがうまく、蛤や
浅蜊を拾う名手であった。十二、三の頃の話だ。夏も終りに近い荒天の日で、町にいても....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
り、仕事もなにも放りぱなしで、壌士《こえつち》は京都の七条土に限るのそうろうの、
浅蜊の煮汁をやればいいのとさんざんに凝りぬく。 庄兵衛は凝り屋の総大将で、月番....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
なんだろう、ありゃ。 阿父さんがよく宿酔《ふつかよい》のとき、深川茶漬といって
浅蜊のおじやみたいなものをこしらえ、その上へパラリと浅草海苔をふりかけたのをよく....
「醤油仏」より 著者:吉川英治
「あばよ」 と、人のいい顔を作って笑った。 伝公は世帯を持っていた。 家は
浅蜊の貝殻を踏みつけた高橋際の路地にあった。 大川を向うへ越えて、渡舟を上がっ....
「世間師」より 著者:小栗風葉
が石垣の間を出たり入ったりしている。 河岸倉の庇の下に屋台店が出ている。竹輪に
浅蜊貝といったような物を種にして、大阪風の切鮨を売っている。一銭に四|片というの....