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「浦里〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

浦里の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吉原新話」より 著者:泉鏡花
びけの鉄棒が、近くから遠くへ、次第に幽かになって廻ったが、その音の身に染みたは、浦里時代の事であろう。誰の胸へも響かぬ。……もっとも話好きな人ばかりが集ったから....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
がよろしくない。まえにも云う通り、おなじ歌いものでも弁慶や熊坂とちがって、権八や浦里ではどうも困る。それも小身者の安御家人かお城坊主のたぐいならば格別、なにしろ....
沓掛より」より 著者:寺田寅彦
られて、公然とはできないことになっていたように記憶する。それでも、都会離れたこの浦里などでは、暗いさびしい貴船神社の森影で、この何百年前の祖先から土の底まで根を....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
ぎながら、豌豆餅を焼いてくれた。 そして熱いのを口で吹いて、嬉しそうな宗吉に、浦里の話をした。 お千は、それよりも美しく、雪はなけれど、ちらちらと散る花の、....
日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
かかることなんめづらかなる。伊勢、尾張、美濃、近江、北陸、道分てありけりとなん、浦里などは、さながら海へゆり入り、犬※などの類まで跡なくなりし所所ありとなん、家....
紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
。さてその次の大尽は、奈良茂の君に止どめたり。新町にかくれなき、加賀屋の名とりの浦里の君さまを、初めてこれを身請けする。深川にかくれなき黒江町に殿を建て、目算御....
役者の一生」より 著者:折口信夫
役が平凡すぎるが――これには声がわりか何か事情があったのだろう。この時、田之助が浦里で出ていた。田之助も、身辺にいたのであるから、源之助の芸は菊五郎の芸ばかりの....
十日の菊」より 著者:永井荷風
小春治兵衛《こはるじへえ》の情事を語るに最も適したものは大阪の浄瑠璃である。浦里時次郎《うらざとときじろう》の艶事を伝うるに最《もっとも》適したものは江戸の....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
僕の家の菩提寺を思い出した。この寺には何でも司馬江漢や小林平八郎の墓の外に名高い浦里時次郎の比翼塚も建っていたものである。僕の司馬江漢を知ったのは勿論余り古いこ....