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浮き名
「浮き名〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浮き名の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
わして首席を占めたんだと、厳格で通《とお》っている米国人の老校長に、思いもよらぬ
浮き名を負わせたのも彼女である。上野《うえの》の音楽学校にはいってヴァイオリンの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
縛っちまうぞ」 嚇されて、二人も争う術《すべ》がなかった。かれらは権田原心中の
浮き名を流す機会を失って、おめおめと庄太に追い立てられて行った。 これで先ず一....
「麻酔剤」より 著者:田中早苗
づいたにちがいないと思いました。彼女は不断ごく慎ましくて、幸いに只の一度もそんな
浮き名を立てられたことがなかったけれど、今度はけちがつくだろうと思って、慄然とし....
「源氏物語」より 著者:紫式部
母様の御息所はきわめて聡明《そうめい》な人だったのですが、私の若気のあやまちから
浮き名を流させることになりました上、私は一生恨めしい者と思われることになったので....
「源氏物語」より 著者:紫式部
手にはいって、最上の仮名字はこれだと心酔してしまったものです。それがもとになって
浮き名を立てることになり、私との関係をにがい経験だったように思って、くやしがった....
「源氏物語」より 著者:紫式部
のだがね。昨日までは尊貴な親の娘として尊敬されていた人が、つまらぬ男にだまされて
浮き名を立て、ある者は死んだ親の名誉をそこなうという類の話は幾つもあるから、姫宮....
「源氏物語」より 著者:紫式部
作られるのである。女御や更衣といってもよい人格の人ばかりがいるわけではないから、
浮き名を流す者はあっても、破綻を見せない間は宮仕えを辞しもせずしていて、批難すべ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
ほどにも苦しんだ。神聖な方としてお守り立てしていきたかった宮様も、世間の女並みに
浮き名を立てられておしまいになることがもってのほかに思われてならなかった。 「今....
「源氏物語」より 著者:紫式部
思われるよりはまだそのほうがいいと思い続けて、 歎きわび身をば捨つとも亡きかげに
浮き名流さんことをこそ思へ と詠まれもした。母も恋しかった。平生は思い出すこと....