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浮れ
「浮れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浮れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
けて通る腕車《くるま》も見えず、人通りはちらほらと、都で言えば朧夜《おぼろよ》を
浮れ出したような状《さま》だけれども、この土地ではこれでも賑《にぎやか》な町の分....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
。 僧 いや、いや、それはよろしゅうござるまい。桂殿という嫋女をお見出しあって、
浮れあるきに余念もおわさぬところへ、われわれのごとき邪魔|外道が附き纏うては、か....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
未だ都大路には正月気分の抜け切らない人達が、折柄の小春|日和に誘われて、チラホラ
浮れ歩いていた。それらの人を見下しながら、石子刑事は渡辺刑事と並んで目黒行の電車....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
矢野とか末広とか柴とかいう政治界の名士が続々文学に投じて来たが、丁度仮装会の興に
浮れて躍り狂っていたようなもので、文人其者の社会的価値を認めたからではなかった。....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
取ったる三味の撥、再び握っても色里の往来して白痴の大尽、生な通人めらが間の周旋、
浮れ車座のまわりをよくする油さし商売は嫌なりと、此度は象牙を柊に易えて児供を相手....
「天馬」より 著者:金史良
かどで検挙されたことは既に御承知である。後から彼は会場を出て一人で新町の廓の中へ
浮れ込んで行って、どこか安い銘酒屋でウイスキーを何杯もひっかけるなり、その足で娼....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
散花の、袖に懸るよりも軽やかに、梅花の匂なつかしく、蹈足もたどたどしく、心も空に
浮れつつ、半町ばかり歩みけるが、南無妙。 月すこし暗かりける処にて、南無妙、さ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
あって、美和子のことを思い切り詰ってやりたい気持の湧く傍から、粋な酒場を開いて、
浮れ男をあやつりながら、しかも道徳堅固に暮してみるのも面白かろうなどと、とり止め....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
、作物の上にたなびいていて、読者をしてむせっぽく、息苦しく、時としては、故知らぬ
浮れ心をさえ誘う雲気の様なものに譬える事も出来る。そうした揺曳に気のつく事も、批....
「宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
、左の三曲目であった。 北村季晴氏作 歌劇「ドンブラコ」 本居長世氏作 喜歌劇「
浮れ達磨」 宝塚少女歌劇団作 ダンス「胡蝶の舞」 このように上演脚本も選定せら....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
岳で、「イヤこれはこれは、今日は全家が出払って余り徒然なので、番茶を淹れて単りで
浮れていた処サ。」と。多芸も多芸であったが、こういう世間を茶にする真似もした。 ....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
どころじゃなかった。尤も今ほど一般的ではなかったが、上台閣の諸公から先きへ立って
浮れたのだから上流社会は忽ち風靡された。当時の欧化熱の急先鋒たる公伊藤、侯井上は....
「露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
前に美妙や学海翁から散々褒めちぎって聴かされていたためかして、読んだ時は面白さに
浮れて夢中となったが、その面白味は手品を見るような感興で胸に響くものはなかった。....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
。
それから段々|縺れ合って来る。
初手は嬉しい中になる。それから傍が水をさす。
浮れて遊ぶ隙もなく、いつか苦労が出来て来る。
なんの気なしでいるうちに、つい小説....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
気だとも。――お金は小判というものをたァんともっておりまする、だ。」田代は全くの
浮れ拍子に「姐や、おい、熱いのを。――それと、なんでもいゝ、親方にそういってうめ....