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浮世の波
「浮世の波〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浮世の波の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「源おじ」より 著者:国木田独歩
《こび》を人にささげず。世の常の乞食見て憐れと思う心もて彼を憐れというは至らず。
浮世の波に漂うて溺《おぼ》るる人を憐れとみる眼には彼を見出さんこと難《かた》かる....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ポール・レペルは多分此の家に住んで居ないでしょう、田舎へ地所を買い、楽隠居として
浮世の波風を知らずに暮らすは何ほどか気安い事でしょう」
述懐し了って、再び第二....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
へ、幾条も幾条も家中の縁の糸は両親で元緊をして、颯さらりと鵜縄に捌いて、娘たちに
浮世の波を潜らせて、ここを先途と鮎を呑ませて、ぐッと手許へ引手繰っては、咽喉をギ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
地もあり、頻に落ちる椿もあり、田には大な鰌もある。 あの、西南一帯の海の潮が、
浮世の波に白帆を乗せて、このしばらくの間に九十九折ある山の峡を、一ツずつ湾にして....
「山本有三氏の境地」より 著者:宮本百合子
であろう。ここには、一人のなかなか人生にくい下る粘りをもった、負けじ魂のつよい、
浮世の波浪に対して足を踏張って行く男の姿がある。自分の努力で、社会に正当であると....
「これから結婚する人の心持」より 著者:宮本百合子
昔の慈愛ふかい両親たちは、その娘が他家へ縁づけられてゆくとき、愈々《いよいよ》
浮世の波にもまれる始まり、苦労への出発というように見て、それを励したり力づけたり....
「露肆」より 著者:泉鏡花
……長靴は烟突のごとく、すぽんと突立ち、半靴は叱られた体に畏って、ごちゃごちゃと
浮世の波に魚の漾う風情がある。 両側はさて軒を並べた居附の商人……大通りの事で....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
るひとは、又それなりに双眼鏡を肩からかけたりいろいろの身すぎにいそがわしい。荒い
浮世の波のうちかたを思わせます。
歴史的に見ると、若い花圃が洋服着て「男女交際....
「初冬の日記から」より 著者:寺田寅彦
にふけて見えるのである。ほぼ同年頃の吾等の子供等と比べると眉宇の間にどことなしに
浮世の波の反映らしいものがある。膝の上にはどうも西洋菓子の折らしい大きな紙包みを....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
支えるものもない一本の杭のごときものであった。その杭の上にささやかな龕を載せて、
浮世の波の押寄せる道の辻に立てて、かすかな一穂の燈明をかかげようと念じていたこと....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
気だけれど、直ぐ、凪ぎになって、のたりのたりかなで済む。もしそれが静まらないと、
浮世の波に乗っかってる我々、ふらふらと脳が揺れる、木静まらんと欲すれども風やまず....
「書記官」より 著者:川上眉山
善平は独り中に立ちて、ひたすら二人を親しからせんとしぬ。書記官と聞きたる綱雄は、
浮世の波に漂わさるるこのあわれなる奴と見下し、去年哲学の業を卒えたる学士と聞きた....
「霊的本能主義」より 著者:和辻哲郎
この淵に躍り入った。フロレンスの門の永久に彼に向かって閉じられてよりはさらに荒き
浮世の波に乗る。彼の魂は世の汚れたる群れより離れて天堂と地獄に行く。この不覊の魂....