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浮世話
「浮世話〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浮世話の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
なかったと云って彼はいまだに残念がっている。 儲口《もうけぐち》を離れた普通の
浮世話になると、彼はまた非常に豊富な材料の所有者であるという事を容易に証拠立てる....
「親子」より 著者:有島武郎
すっかり暗くなった囲炉裡のまわりには、集まって来た小作人を相手に早田が小さな声で
浮世話をしていた。内儀さんは座敷の方に運ぶ膳のものが冷えるのを気にして、椀のもの....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
き》を傾け始めると、もう今までの道場での事件などには、何も触れなかった。言わば、
浮世話《うきよばなし》と言ったような、極めて暢《の》びやかな会話が、続くだけだっ....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
漬、閉ればおもかげ、是はどうじゃと呆れてまた候眼をあけば花漬、アヽ是を見ればこそ
浮世話も思いの種となって寝られざれ、明日は馬籠峠越えて中津川迄行かんとするに、能....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
の菊を見ながらちょうどお八ツ時分と、お茶お菓子を下さいまして、私風情へいろいろと
浮世話。 お米も嬉しそうに傍についていてくれますなり、私はまるで貴方、嫁にやっ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
方はそうでもなく、やっぱり、夏が来れば店先へ椽台などを出し、涼みがてらにのんきな
浮世話しなどしたもの……師匠は仕事の方はなかなかやかましかったが、気質は至って楽....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
う随分気がね、苦労の数をつくした。母は人にかくれてまだうら若い私の耳にいたましい
浮世話を聞かせたので、私は小さき胸にはりさけるような悲哀を押しかくして、ひそかに....
「空家」より 著者:宮崎湖処子
、かくして一週間も経たれども、何の怪しきこともなく、彼はただ戦場の譚《はなし》、
浮世話を阿園に語り聞かせ、夜|更《ふ》くればその家に帰り、かつて午夜過ぐるまでい....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
うございます。」という声がする。これは掃除している女の声である。それから二、三言
浮世話をして男は出て行く。小便をしたものであろう。この男の姿は見えないが三菱地所....
「当選作所感」より 著者:平林初之輔
く融合していないといった感じだ。ちょうど、洋館の中で、椅子に腰をかけて、講釈師の
浮世話をきいているようだ。最後のたたりは、ある未亡人の変態性欲で説明されているが....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
ていない。 暢んびりした気持になって櫓の周りに寝転びながら、皆して取止めもない
浮世話に耽る。南日君は柱の一本に「八月二十日南日三人」と刻まれた文字を指して、先....
「それから」より 著者:夏目漱石
には、あるんだか、ないんだか分らない。たまに兄と弟《おとと》が顔を合せると、ただ
浮世話をする。双方とも普通の顔で、大いに平気で遣っている。陳腐に慣れ抜いた様子で....