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「浮木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

浮木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、二の替りからは盆やすみで木戸止めという大入りを占めた。その替りの外題は「優曇華浮木亀山」の通しで、切に「本朝廿四孝」の十種香から狐火をつけた。通し狂言の「浮木....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
、一週間ばかりというものは、行方不明になったことだった。彼に行かれては、漢青年は浮木にひとしかった。非常に心配して、行く末をいろいろと思い煩っているところへ、孫....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
移動してゆく。 飛行島の前後左右は、それをまもる艦艇がぐるっととりまき、一片の浮木も飛行島に近づけまいとしている。 空には、空軍の精鋭が、かたい編隊をくんで....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
と波が立った。その響きかも知れぬ。小さな御幣の、廻りながら、遠くへ離れて、小さな浮木ほどになっていたのが、ツウと浮いて、板ぐるみ、グイと傾いて、水の面にぴたりと....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
は、あの松がしんせつに、そこらで掬って来てくれたんで、それをちぎって釣る時分は、浮木が水面に届くか届かぬに、ちょろり、かいず奴が攫ってしまう。 大切な蝦五つ、....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
する。これぞ当時は八九分通り開けて居りますが、小笠原島でございます。文治は盲亀の浮木に有附きたる心地して、 「正直の頭に神宿るとは宜く申した、我は生れて此の方....
水鬼」より 著者:岡本綺堂
ったとみえて、小一時間も糸をおろしていたが一向に釣れない。すこし飽きて来て、もう浮木の方へは眼もくれず、足もとに乱れて咲いている草の花などをながめているうちに、....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
「お姫様には神通力、お鏡を通して浮世の相を、ご覧になることが出来ましょうが、この浮木はほんの凡人、何にも見えませんでございます。ほんとにそんな人達が、走って来る....
想い出」より 著者:佐藤垢石
亀(川虫)を餌にした虫釣りか、十本五銭位で買える菜種鈎という黄色い粗末な毛鈎で、浮木流しをやっているのと、職業漁師が友釣りとゴロ引きをやっていた。 六月一日の....
寒鮒」より 著者:佐藤垢石
が寒鮒釣りである。 寒鮒釣りは、岡釣りでもやれるが、舟釣りの方が楽しみが深い。浮木釣りと脈釣りと二種あって、全く流れのないところでは浮木を用い、緩やかな流れの....
巣離れの鮒」より 著者:佐藤垢石
は竿よりも三、四尺短くするのが探りいいのである。道糸に一分玉から二分玉くらいの玉浮木を五、六寸間隔に七、八個つける、下から次第に上の方へ玉を大きくしていく人もあ....
細流の興趣」より 著者:佐藤垢石
である。鮒党はこの本乗っ込みをどんなに首をのべて待っていたことであろう。白い玉|浮木がフワフワと流れてスイと横に動く味は、どの釣りにも求め得られない。竿も仕掛け....
」より 著者:佐藤垢石
茨城県稲藪郡平田の新利根川へ寒鮒釣りに伴ったが、それでも海釣りよりも淡水で、糸と浮木の揺曳をながめる方が楽しめるという。 海は、伜の性に合わぬのかも知れない。....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
底へ底へと沈むようなもんで、頭の疲れや苦痛に堪え切れなくなったので、最後に盲亀の浮木のように取捉まえたのが即ちヒューマニチーであった。が、根柢に構わってるのが懐....
遁走」より 著者:葛西善蔵
や、親方らしい年輩の男や、番頭らしい男やが五六人、釣竿を側にして板の台に坐って、浮木を眺めている。そしてたまに大きなのがかかると、いやこれはタマだとか、タマでは....