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浮橋
「浮橋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浮橋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
蔵助の濫行も名高くなったりしたのは、少しも無理はございません。何しろ夕霧と云い、
浮橋《うきはし》と云い、島原や撞木町《しゅもくまち》の名高い太夫《たゆう》たちで....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
あ、どんなものでござりましょうか。わたくし共も詳しいことは存じませんが、なんでも
浮橋《うきはし》さんからそんな話がござりました」
浮橋というのは八橋の振袖新造....
「古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
ゃって、りっぱな矛を一ふりお授けになりました。 それでお二人は、さっそく、天の
浮橋という、雲の中に浮かんでいる橋の上へお出ましになって、いただいた矛でもって、....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
枝越しに上からのぞき込む。その天空に浮遊するかの如き、嶮にして美なる林道を「天の
浮橋」と呼ぶそうであるが、何よりも喬木林の陰森さにおどろかされる。木曾の森林にで....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
り三十二年前、貞享《じょうきょう》三年板『諸国心中女』を見ると、巻四「命を掛けし
浮橋」の条、京都の西郊に豊かに住む人の美妻が夫の仕う美少年と通じ、夢を見て大いに....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
仮作的な伝説でないということが判る。「日本書紀」には、「伊弉諾尊、伊弉冉尊、天の
浮橋の上に立たして、共に計りて、底つ下に国や無からんとのり給ひて、廼ち天の瓊矛を....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
宗祇を知ったらしい。文明八年の八月十九日の条に、この晩肖柏が来て『源氏物語』「夢
浮橋」の巻を書写してくれと懇望したとある。あるいは肖柏の手引きによって、実隆は宗....
「女流俳句を味読す」より 著者:杉田久女
れこそ、ばら色の靄でもかかっている様な、春暁のねむりの中に、ほっかりと七彩の夢の
浮橋があとさきもなくかかっている。そこに曙の精とよばるる女神が裳をひいて佇みつつ....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
たい何をするのさ」
「新作|天羽衣《てんのはごろも》、天人娘《てんにんむすめ》夢
浮橋《ゆめのうきはし》、外題《げだい》はまだ決めちゃあねえが――おめえか、おめえ....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
た。 「ええ、お出迎えにこれまでまいりましたのは、丹那、田代、軽井沢、畑、神益、
浮橋、長崎、七ヶ村の者十一名にござりまする」と丹那の庄屋が一同を代表して答えた。....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
した傾向の歌の中で一番代表的な歌だといわれているのは、定家の作の、 春の夜の夢の
浮橋とだえして嶺にわかるる横雲の空 であるが、この歌の中で、「夢の
浮橋とだえして....
「三国志」より 著者:吉川英治
、焔硝、枯れ柴、油弾などを仮城へ投げかけ、河には油を流して火をかけた。 船筏も
浮橋も、見事に炎上してしまった。何で製したものか、梨子か桃の実ぐらいな鞠をぽんぽ....
「三国志」より 著者:吉川英治
、歩兵をひきいて岸に拒げ。おれは馬武者をひきいて、敵を蹴破るから」 と、ついに
浮橋を渡して、漢水を越えてしまった。 一歩対岸を踏んだらば、必ず蜀の勢が鼓を鳴....
「三国志」より 著者:吉川英治
して、 「ときに孔明は今、どこに陣しているか」と、偵察させた。 「西※河に、竹の
浮橋を架け、南の岸にも、北の岸にも布陣している按配です。北岸には、河を濠として、....
「不思議な国の話」より 著者:室生犀星
その石がね、池のまんなかにあると言ったでしょう、だからその石の上へ乗るときは柴の
浮橋を渡ってゆくんですと――ほらお池のふちなどによく水草が生えているだろう、ああ....