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浮絵
「浮絵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浮絵の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。 すべてが永久の薄明のうちに浸ってるように、彼には思われた。あたかも灰色の
浮絵のようであって、その各線はぼやけて沈み込んでいて、時々浮き出してはまた消えて....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
門冬を踏み、小砂利を蹴散らしながら駆け込んで来たが、その折門前では、節句目当ての
浮絵からくりらしい話し声――。(京四条河原夕涼みの体。これも夜分の景と変り、ちら....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
んだ、貴様は――」
又、その侍が振向いて、睨んだ。そして、深雪が、群集の前に、
浮絵のような鮮かさで立っているのに気がつくと、じっと、その顔へ、見入ってしまった....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
絵山水画発達の経路を尋ねてその一を奥村政信《おくむらまさのぶ》以来広く行はれたる
浮絵《うきえ》遠景図に帰し、その二を以て天明《てんめい》年間江戸に勃興《ぼっこう....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
たく見えるような心持がする。この点において歌川豊春《うたがわとよはる》らの描いた
浮絵《うきえ》の遠景木板画にはどうかすると真《しん》によくこの日本的感情を示した....