浴びせる[語句情報] » 浴びせる

「浴びせる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

浴びせるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:ゴーゴリニコライ
、つまり少佐のところへと出かけた。それは大の悪口屋で、いつもいろんな辛辣な皮肉を浴びせるものだから、彼はよく、【ふん、何を言ってやがるんだい、ケチな皮肉屋め!】....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
了海が経文を誦《じゅ》する声をきいたのである。 そのしわがれた悲壮な声が、水を浴びせるように実之助に徹してきた。深夜、人去り、草木眠っている中に、ただ暗中に端....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ない。ただ烈風と寒冷が髭《ひげ》を硬ばらせ、風は隊列を薙《な》いで粉のような雪を浴びせる。やがて、櫛《くし》のような尖峰《せんぽう》を七、八つ越えたのち、いよい....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
はじめた。 「支倉君、これは驚駭噴泉と云うのだよ。あの音も、また弾丸のように水を浴びせるのも、みんな水圧を利用しているのだ」と法水は飛沫を避けながら、何気なしに....
槍ヶ岳第三回登山」より 著者:小島烏水
を振り立てて上って来る、近づくほど早くなるかと思うと、端から砕けてサアッと水球を浴びせる、そうして呻りながら、尾根につかまり、槍先へ這いずり上って、犠牲になる生霊もがなと、捜し廻っている。....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
の時、思いがけない、うっかりした仕損いで、あの、お染の、あの体に、胸から膝へ血を浴びせるようなことをした。―― ※せば、我が袖も、他の垣根も雪である。 ――....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
を乞うために群がり集まったのである。これを見た反長老派の連中は、さまざまに非難を浴びせると共に、ここでは懺悔の神秘が専断軽率に貶《おと》し卑しめられていると告発....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
点においては、パリーにおけるキリスト教徒の多くはユダヤ人と同じである)――皮肉を浴びせる機会を与えてさえもらうならば、いかに不快な者にたいしても、また敵にたいし....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
何のためだ。大砲をどうするつもりか。ベルヴェデールのアポロンに霰弾《さんだん》を浴びせるつもりか。弾薬嚢《だんやくのう》とメディチのヴィーナスと何の関係がある。....
伯林の降誕祭」より 著者:岡本かの子
高級品屋の店頭より綺麗なのです。電燈までが安値に心易い光をそれらの人達にきらきら浴びせる美しさ、そして暖かさ、みなクリスマスの買物の人達を見せる光景です。それが....
」より 著者:秋田滋
たを愛しているのです。そのひとがあなたに口をきく。と、その声はあなたに幸福の波を浴びせるのです。 ところで、そのひとが一朝にして消え失せてしまうのです。ああ、....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
再び接する機会はないように思われた。が、また一方では、それが法水麟太郎に、散光を浴びせる動機ともなったのである。 あの一代の伊達男――犯罪研究家として、古今独....
おせん」より 著者:邦枝完二
えくり返っているのであろう。やがて二三|丁も先へ行ってしまった徳太郎の背後から、浴びせるように罵っていた。 「おいおい松つぁん」 「えッ」 「はッはッは。何をぶ....
式部小路」より 著者:泉鏡花
が聞いて呆れらい。ヘッ、悪く御託をつきゃあがると、汝がの口へ氷を詰めて、寒の水を浴びせるぞ、やい!」 「愛吉、おいでな、」 皆まで聞かず、上へ聞えたかと、「納....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
上っている。其先端は黒部の谷を横切って、時々劒岳の鋭鋒に砥の粉を打ったような霧を浴びせる。五竜岳の崔嵬に続いて鹿島槍ヶ岳の峰頭には、白毛の如き一簇の雲が屯してい....