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海人
「海人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
海人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
んばさらにかの地に行くというような、いわば天下を家として随所に青山あるを信ずる北
海人の気魄《きはく》を、双手《もろて》を挙げて讃美する者である。自由と活動と、こ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
のように蟠って君臨しているのが、黄銅製の台座の柱身にはオスマン風の檣楼、羽目には
海人獣が象嵌されていて、その上に、コートレイ式の塔形をなした人形時計が載せられて....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
隠れてしまいました。波も風もいつか鎮まって、舟は安らかに目的地の岸へ着きました。
海人 東州、静海軍の姚氏がその部下と共に、海の魚を捕って年々の貢物にしていまし....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
紀にあるのと同人だとすると、額田王は鏡王の女で、鏡女王の妹であったようだ。初め大
海人皇子と御婚して十市皇女を生み、ついで天智天皇に寵せられ近江京に行っていた。「....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
漁民となったのだといわれているが、彼自身は「片海の石中の賤民が子」とか、「片海の
海人が子也」とかいっている。ともかく彼が生まれ、育ったころには父母は漁民として「....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
云った。 「そうです。まさに、あの殺人鬼の幻想的な遊戯なんですよ。しかし、これに
海人藻芥(犬射の雅号)という署名はないにしても、いずれは、誰かの雅号となって、現....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
武家方にも、あてはまるべき方法でござる、いやいや武家方ばかりでなく、浜に塩を焼く
海人乙女にも、山に木を伐る山賤にも、あてはまるべき方法でござる。で、奉公心得の件....
「憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
のが多数にあるには相違ない。それと同時に山人ばかりでなく、海岸島嶼に離れて住んだ
海人の徒が、またしばしば鬼と呼ばれていた事は、かの鬼が島の童話や、能登の鬼の寝屋....
「手長と足長」より 著者:喜田貞吉
部下たる膳夫輩には、調理に長じた先住民の後の少からぬことを認めたい。また安曇氏は
海人の長とあって、
海人の中には明らかに土蜘蛛の子孫と称せられたものもあり、しから....
「人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
りではない。生活上必要な物資もまた遠慮なくこれを掠奪するのである。凶暴なる山人や
海人はその脅威されたる生活を緩和せんが為にしばしば出でて里人を襲撃する。それが伝....
「オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
では武神として崇められたほどの勇猛神であり、また一方では漁業航海を護る神として、
海人に祭らるる神であったが、これも後世では財宝を授くる神となり、商家では宅神とし....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
れるものは東国の民謡だった東歌だののほかは、割に少いのである。 うつそを麻績の王
海人なれや伊良胡の島の玉藻刈り食す などは『常陸国風土記』には板来、つまり今の潮....
「古事記」より 著者:太安万侶
上《あ》げ、地の下は底の巖に堅く燒き固まらして、コウゾの長い綱を延ばして釣をする
海人《あま》の釣り上げた大きな鱸《すずき》をさらさらと引き寄せあげて、机《つくえ....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
孫だということを認めておったものでありましょう。山人が山間に遺った様に、海浜にも
海人が遺る。もっとも平地続きの海浜では、早く世間に同化してしまいますが、交通の極....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
。これについては当時の漁夫の社会的地位を明らかにせねばならぬ。 漁夫はすなわち
海人で、古えにいわゆる海部の部族である。これを民族的に論ずれば、海部も農民も本来....