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海千山千
「海千山千〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
海千山千の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
でしまえ」というので、机を叩いて総長に迫ったという。
これを聞いた時には流石に
海千山千の吾輩も、尻に帆を上げかけたね。大学の中だけは学術研究の安全地帯だと思っ....
「斜坑」より 著者:夢野久作
福太郎どんが帰りを急ぐとぞい」 とお作が皆から冷やかされる事になったが、流石に
海千山千のお作もこの時ばかりは受太刀どころか、返事も出来ないまま真赤になって裏口....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
がけております。」そして、この座で、一人の男が、そういう経歴の彼女に対して「その
海千山千のみね子氏を」云々と云ったことについて、深く考えている。「
海千山千という....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の時間が惜しいとも思われませんでした。そうすると、女というものが別な女になって、
海千山千の股旅者ではない、純な処女の人情として扱うことの、何となしの魅力を、兵馬....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
めに帰って来た、と言われると、女は嬉しいのだ。何よりも嬉しいと見える。だからこの
海千山千の代物《しろもの》が、貰いたての女房のような心意気を見せて、この不精者が....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
帰ってしまったという。 エンゼルは事の意外に驚いたばかりでなく、大庭という奴が
海千山千の強か者で、記代子のバカさかげんに手を焼いており、これを拾いあげたエンゼ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
うものですかえ。私ゃウチの旦那からそんなノロケを承ったことがないね」 ちょッと
海千山千という目附の老婆。 重二郎の妾が七人というのは警官のデタラメだ。重二郎....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
。現在、蔵元屋に入り込みおる野西とか言う侍でも、黒田五十五万石を物の数とも思わぬ
海千山千の隠密育ちに違いない。博多随一の鶴巻屋を定宿にして、蔵元屋の帳面をドダイ....
「南京虫殺人事件」より 著者:坂口安吾
だ」 波川巡査は娘にだけは自分の見込みを語ったが、まだ他の誰にも打ち明けない。
海千山千の経験者に打ち明けるには大事を要するし、見込み通りとなれば一世一代の晴れ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
の、本物ならどのくらいするかのと何気ない体で調査《ききこみ》をして行った。松沢は
海千山千だ、そこに抜目のあろう筈はない。チラリと奥の部屋から睨んだ模型を手懸りに....
「文学的饒舌」より 著者:織田作之助
棲んでおればいい。作家がへんに大人になれば、文学精神は彼をはなれてしまう。ことに
海千山千の大人はいけない。舟橋聖一氏にはわるいが、この人の「左まんじ」という文芸....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
んなふうに歩いてそうして俺の脇に突っ立って画を描くのをじっ穂に苦心したが、あんな
海千山千の動物には俺の言葉はとてもわからないと思って黙っていた。全くあんな怪物の....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
が、革命党は空想ばかりで実行に掛けたらカラ成っていない。いくらヤキモキ騒いだって
海千山千の老巧手だれの官僚には歯が立たない、」と二葉亭は常に革命党の無力を見縊り....
「冒した者」より 著者:三好十郎
たちはみんなおびえてしまった、ひとかたまりになってちぢみあがっていたが、その中で
海千山千の、枕だこの出来たシタタカ者が二人ばかり、どういうわけか、眼の色を変えて....