海嘯[語句情報] » 海嘯

「海嘯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

海嘯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠義」より 著者:芥川竜之介
ったと云うので、立ち騒ぐ事が一通りでない。何度目付衆が出て、制しても、すぐまた、海嘯《つなみ》のように、押し返して来る。そこへ、殿中の混雑もまた、益々甚しくなり....
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
れていた。十六の秋、母のお時といっしょに廓の仁和賀《にわか》を見物に行ったとき、海嘯《つなみ》のように寄せて来る人波の渦に巻き込まれて、母にははぐれ、人には踏ま....
第五氷河期」より 著者:海野十三
の調子では、さだめし全国的に、たいへんな被害が生じていることであろう。 火災、海嘯《つなみ》、山崩れ、食糧問題、治安問題などが、いたるところに起っているのであ....
朱日記」より 著者:泉鏡花
それも半分は夢心地さ。 明方からこの風さな。」 「正寅の刻からでござりました、海嘯のように、どっと一時に吹出しましたに因って存じておりまする。」と源助の言つき....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
雪があって積ったやつが、氷河のうえに固まって乗っているんだ。あいつが動きだすと氷海嘯というのになる。危険だ。ケプナラ君に避難をいってくれ給え」 と、その日の夜....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
年の春、ひどい海底地震が相模湾《さがみわん》の沖合《おきあい》に起り、引続いて大海嘯《おおつなみ》が一帯の海岸を襲った。多数の船舶が難破《なんぱ》したが、その中....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
もうそうなると、気の上った各自が、自分の手足で、茶碗を蹴飛ばす、徳利を踏倒す、海嘯だ、と喚きましょう。 その立廻りで、何かの拍子にゃ怪我もします、踏切ったく....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
…。 さて只今申上げました不図とした動機というのは、或る年三浦の海岸を襲った大海嘯なのでございました。それはめったにない位の大きな時化で、一|時は三浦三崎一|....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
土人達はにわかに騒ぎ出した。あっちでも議論こっちでも議論。広い空地は土人達の声で海嘯のように騒がしくなった。 「東邦人を追っ払え! 宝を渡してたまるものか!」 ....
太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
、失望落胆に沈んだ聴衆は号泣して屋外に走ったが、この時月の引力に依って起った大|海嘯は、たちまちにしてその半数以上の人命を奪い、次で宏大なる同盟会議所も、又激浪....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
誰云うとなく此声が駅中に拡がると、まだ宵ながら眠れるような町の人々は、不意に山海嘯が出たよりも驚かされた。日頃出入の者は云うに及ばず、屈竟の若者共は思い思いの....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
は、 これまでいろいろな企をして見ましたが、 どうにも手が著けようがありません。海嘯、暴風、地震、火事、どれを持って行っても 跡には陸と海とが依然としているです....
消えた美しい不思議なにじ」より 著者:小川未明
できましたのが、二百|十日もかかります。下界は、戦争があったり、地震があったり、海嘯があったり、また饑饉がありまして、人間は幾百|万人となく死んでいます。けれど....
塩を載せた船」より 著者:小川未明
あるきまわっていますときに、乞食は、三日ばかり前に自分がたってきた町が、すっかり海嘯のためにさらわれてしまった、というようなうわさを聞きました。 乞食は、夢の....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
て、小さな松の皮、古松葉などがはらはらと落ちて来る。そのうちにはどうかすると遠い海嘯のような大きな音をたてる烈しい松籟が押し寄せることがある。彼等は慌しく吹き飛....